○物語○
明子は三年前に幸一と結婚した。劇団員の幸一は演劇に打ち込み、家計は全て明子が賄っていた。だが、今年も本公演に抜擢されず、幸一の心は荒れた。そんな中、幸一の弟真二がひょっこりやって来た。俳優として成功した彼は、今の生活から逃れるように、しばらく厄介になりたいと頭を下げた。明子は勤め先のラブホテルで社長に強引に体を奪われた。その夜、帰宅した彼女は「私、ふしだらな女になった」と真二に迫った。一方、明子を迎えに出た幸一は誤って石段から転げ落ちた。通りかかったクメ子は彼を助けるが、彼は記憶喪失になっていた。一ヶ月後、明子は真二との生活を、幸一はクメ子との新生活を始め…。
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