2002.3.17(日)

新東宝作品『猥褻ストーカー 暗闇で抱いて!』ダビング。
長かった。やっと、ここまでたどりついたという感じね。6週間、ほとんど休みなしできたもんね。
一魅の音楽も絶好調。オーピーから、中2日しかなかったので、実は心配だったのだ。一魅自身もこんなハード・スケジュールはもちろん初めてだしね。
それが、どうしちゃったの?というほどの乗りのよさ。特に驚いたのは、ラストの追いつ追われつのクライマックス・シーンね。なんとこのくだり、10分近くあるのだが、一魅、このくだりのすべてに音づけをしてきたのだった。つまり、ずっと音楽がのっかっているってわけ。これには驚くとともに、感動したね。一魅は、すごい!
今回の作品のもうひとつの売りは、ヴォーカル曲たくさん使ったことね。ひとつは、オレたちのオリジナルというか、『マンズ・マンズ・ワールド』の時に一魅が作った「愛のラビリンス」という歌があるんだけど、今回はそれを2回も使った。ヴォーカルは一魅自身。しかも、それも2バージョン。ひとつは『マンズ〜』の時のバージョン。もうひとつは今回用に新たに歌い直したバージョンね。
そして、オレの友人であった70年代の幻のフォーク・ロック歌手、鷹魚剛のアルバムから3曲使う。実は、こちらの方は初めからの狙いであった。どの曲を使ったらいいのかと、かなり悩んだりはしたが、最初から鷹魚の歌は狙いであったのだ。はっきり言って鷹魚の曲すばらしいです。詩、曲、ヴォーカル、そのすべてがすばらしい。天才的なヤツです。音信不通になって20年以上がたつ。今頃どうしてるんだろう? もし知っている人いたら、オレに情報下さい。ヨロシク。
ま、そんなわけで、スリリングに、エキサイティングにダビングは進み、終了、深夜12時。ステキな一日であった。
終了後、助監督たちと高円寺まで呑みに行く。「じじばば」→「鳥やす」。鳥やすに行くのも実に久しぶり。1ヶ月以上は行ってなかったんじゃないか?
疲れも一気に吹き出し、朝になり、助監督たちと別れて電車に乗ったあと、やってしまった。これも久しぶりに。そう、乗りすごして高尾まで行っちゃったんだよ。しかし、今や、それも楽し。やっと、終ったんだもんね。

2002.3.20(水)

北沢組『優しすぎる獣』出演。久しぶりの役者だよ。今年初めて。ゲイ映画だよ、ゲイ。もォ最近はたまに役者の仕事がくると、ほとんどがゲイ映画だよ。やんなっちゃうよ、と言いつつも、少しうれしい。
千葉の九十九里浜にある某ホテルでのロケ。
朝早く出て現地に向かう。
一発からんで、ひと芝居して終了。ンー、もの足りない。ま、仕方ないか。
相手役の兵頭未来洋くん。ピンク初めてという男の人。もちろん、ゲイも初めて。彼、震えてたね。妙な緊張でね。終わったあと言ってたよ、「処女の気持ちが分かったような気がしました」ってね。ンー、そうだよなあ…。でも最初にゲイやっておくと、あとラクだよとなぐさめる。「ハイ、ありがとうございます」と、なかなか好感のもてる青年。オレも今後出てもらおうと思ったしだい。
夜、東京へ戻る。

2002.3.22(金)

オーピーと新東宝の2本立て初号試写。まず先にオーピー『欲情牝 乱れしぶき』。若宮弥咲はさすがです。先日見た樫原組にも出演していてそれもよかった。ピンク、久しぶりの実力派だ。倉沢七海もよくがんばったね。線が細いので今後は使いどころがムズかしいけどね。6月公開予定です。見て下さい。
次に新東宝『猥褻ストーカー 暗闇で抱いて!』。こちらも、葉月螢がすばらしい。そして入江浩治。ホント、よくなった。新人の真咲紀子も今後に期待を抱かせる出来。オレのカンではこのコはイキそうだ。こちらは3月29日公開なので、もう終ってるけど、どこかで見かけたらぜひ見て下さい。自信作です。
打ち上げ。今日も例によって最後は後藤宅で沈没。

2002.3.25(月)

深町組初号を見に行く。オレの『暗闇で抱いて!』と同時公開で、河村栞が主演なので、ちょっと気になってね。オレのヤツと同じ、盲目の女ネタだ。盲目の女ネタの2本同時公開なんて、かつてなかったろうな。

2002.3.26(火)
オーピーの映倫試写。オレの次回作が5月クランクインと決まる。助監督の森角の台本でやるつもりだが、森角のスケジュールもあり、さて、どうなるか。
マリオンで映画をハシゴ。劇場で映画を見るのは、1ヶ月半ぶりくらいか。
『キリング・ミー・ソフトリー』と『シッピング・ニュース』。『シッピング・ニュース』が意外と期待はずれだった。途中で寝てしまった。
高円寺「宮川」で後藤ちゃん、奈賀毬子と呑む。「鳥やす」へ移動。佐々木麻由子もくる。麻由子と会うのもホント久しぶり。最後は、駅前の「角屋」で翌日の10時まで呑んでた。

2002.3.27(水)〜29(金)

雨もようの日々。雨の日は子供の時から外に出るのが嫌いなオレは、レンタルビデオを10本くらい借りてきて見続ける。

2002.3.31(日)

劇団め組の『幕末異譚 大江戸喧嘩囃子』という芝居を見に行く。新宿のSPACE107。出演者の一人、野村貴浩くんから招待状が届いたからだ。(野村くんは、去年田尻くんの映画『姉妹OL』に出演していた役者。最近は劇団星座の『何さま?!』にホレイショー役で客演していた。)
いや〜、驚いた。メチャ面白かったのよ、この劇団。幕末のあの時代を背景に、男たちの侠気、そして、女たちの意地が爆発する感動と興奮の一大エンタテイメント、大衆演劇風娯楽大活劇であったのだ。オレは何度か背筋がビリビリし、2度ほど泣けてしまったのだった。
まず、台本がすばらしい。構成もいいが、登場人物の多い芝居にもかかわらず、一人一人が実によく描き込まれ、キャラが立っているという点に感心。一人一人が実にいい役なのだ。その部分で、オレはシェイクスピアを思わずにはいられなかった。
演出。バランス感覚と愛情がある。打楽器中心の音楽もノリノリですばらしい。そして役者。みんないい。鍛えられている。ダメなヤツがいないというスゴミを感じた。何よりその声にはリアルさとパワーがあるのだ。
そんなわけで、一緒に見に行った真咲紀子ともどもボーゼンとしてしまったのだった。
実はこのあと新宿国際で自作の『暗闇で抱いて!』を見る予定だった。しかし、あまりの衝撃にあんまり見る気がしなくなってしまったのだった。しかも、あの新宿国際だしね。でも、ここは気を取り直して、めったに劇場に来られないんだしねということで、見に行く。やはり、見てよかった。芝居と映画は別もので、映画は映画で充分面白いと感じたのだった。
見終わると「カントク!」の声。誰かと思うと、役者の平川ナオヒ。開口一番、「いや〜、すげえ面白かったすよ」。気分よくしたオレは3人で呑みに行ったってわけ。

2002.4.2(火)

新宿ピカデリーで『モンスターズ・インク』。期待していた分、ちょっとガッカリ。『トイ・ストーリー2』と比べると数段落ちるな。でも、それでも、やはり、泣けてしまったけどね。
「鳥やす」で後藤ちゃん、麻由子嬢と会いまたも朝まで呑む。

2002.4.3(水)

五代と次回オーピーの企画打ち合わせ。森角のコメディをやる方向でいたのだが、森角のスケジュールがどうしても合わず(また6月にシアター・グリーンで芝居をやるということで、5月の中〜下旬のロケではムリということなのだ。そして、本人も自分のホンの時は、どうしても助監督として現場にいたいということでね)先送りにする。では、何をするか?−ということだ。オレは久しぶりにちょっとカッコつけたヤツをやりたいんだけどね。

2002.4.4(木)

渋谷東急で『マルホランド・トライブ』。増々、より難解で、かつ、眩惑的な魅力に満ちた世界にオレたちをいざなうデビッド・リンチ。もう一度見たくなる、つまり、麻薬のような映画。ああ、リンチのワナにはまってるなァ。

2002.4.5(金)〜6(土)

スタッフ仲間と江ノ島へ遊びに行く。五代の息子・円(4才)と、北沢監督の娘2人(リコ・7才とトモ・5才)を入れての総勢12人の大部隊。いや〜、楽しかった。久しぶりにアウトドア・ライフの快楽を満喫した2日間であった。企画者のシネキャビン・中村さん、幹事のなかみつちゃんに感謝。

2002.4.8(月)

北沢組『優しすぎる獣』アフレコ。
数日前、AVの演出依頼をされたLLC映像に行き、打ち合わせ。14日、15日が撮影。
森山組次回作の台本上がる。森山と会い、打ち合わせ。脚本・佐野和宏。佐野の脚本がすばらしく面白い。内容は、佐野版の『赫い髪の女』。男と女がやり続ける話。台本の段階でごく当たり前にムリなくポルノの世界になっているのが、まずいいんだが、当然それだけではない。男と女の感情の揺れ動きが、濃密に、かつ、ミステリアスに展開するのだ。心理のサスペンス劇とでも言おうか。
森山にとっては、2作目にして、試金石となる作品になる。
はっきり言って、この脚本のイメージ通りの映画が仕上がったら、ベストテンの1位になるんじゃないかと、オレはそう思うのだ。そのくらい、ホンの出来が圧倒的だ。
強力なライバルが出現と、ここはそう言っておこう。
夜は、高円寺「じじばば」で呑みながら、森山、音楽の一魅と打ち合わせ。
一魅と別れたあとは、そのまま「鳥やす」へ。途中で麻由子嬢も顔を出し、例によって朝までなだれ込む。

2002.4.9(火)

LLC映像で、AVの女優面接。女のコは、美月あんな。19才。バスト95センチのGカップという超巨乳ギャル。
久しぶりに原宿の「LOVE ME TENDER」へ。新しいCD、Tシャツなど数点購入。クラプトン、ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、エルトン・ジョンなどトップ・アーティストが集まった「サン・レコード」及びELVISへのトリビュート・アルバム『GOOD ROCK’IN TONIGHT』がすばらしい内容だ。

2002.4.10(水)

渋谷シネマライズで『アメリ』見る。なによ、コレ、ホラー映画!?−と思っちゃうほどのカメラ・ワーク、カッティングで見せるファンタジーの一篇。そして、アメリ役女優の圧倒的な魅力。なるほどね、これは受けるわ。しかし、それ以上の映画では決してない。
夜、五代と打ち合わせ。オーピーの企画、固まってくる。

2002.4.11(木)

LLCでAVの打ち合わせ。
夜、久しぶりに、阿佐ヶ谷の「スターダスト」に行く。

2002.4.13(土)

LLCのAVのロケハン。午後1時、荻窪集合。夕方5時終了。またも「スターダスト」へ。

2002.4.14(日)〜15(月)

LLC映像のAV撮影。