2008.1.31(木)

以前から何度か書いている「ピンク映画本」。なかなか進んでくれないが(はっきり言って出版サイドにリーダーシップ取れる人がいない。それにつきる)、亀のごとくユラユラと進めてはいる。
今日はその本の中でもひとつのクライマックスになると思える大蔵雅彦氏と私の診断。
大蔵雅彦氏。現大蔵映画常務。10年とちょっと前の「オークラ・ヌーベルバーグ」。その波の仕掛人。旧態依然たる大蔵映画の制作体制を根本的にひっくり返した人。この人のその時の仕掛けがなければ、ピンク映画の現実は、今よりはるかにさびしいものになっていたかもしれない。
とまあ、大蔵雅彦氏のことをそごくカンタンに述べればそのようなことになる。
極私的に言えば、オレの恩人の一人、という側面もある。
しかし、一般的には、ピンク映画マニアの間でも、一種ミステリーな人物でもある。
そういう大蔵雅彦氏の人物像、また「雅彦氏VSピンク映画」の過去、現在、未来を少しでも解き明かしたいというのが対談の意図。
内容に関しては、いずれ出版されるホンを見て下され。一応、6〜7月くらいには出版の運びとなります。
ここではカンタンに二つ、三つのおぼえ書きを。
ひとつ。あいかわらずステキな方でした。クレバーです。つまり…。
ひとつ。この方がいれば、ピンク映画は不滅ではないかという、ある意味「幻想」を抱かせる方ではあります。
ひとつ。「役者としての池島ゆたかをどう思われますか?」というインタビュアー(五代暁子)の質問に答えて「うまいヘタでない、姿形がいい悪いじゃない、存在感があるとかないじゃない…、つまり、俳優さんの価値観をはかるバロメーターみたいなものの外にいる、きわめて特殊な、珍しいタイプの俳優さんだと思います」と答えていただいたのがとても印象的でしたね。
なるほどねえ…。クレバーな方です。(ズバリ!って感じですね。オレが言うこと何もないです)


2008.2.1(金)

『未亡人民宿』映倫試写。
明るく、Hで、面白い…こういうのは受けます。大蔵映画の監督賞受賞。
次回作、担当はハードボイルド志向のHくん(彼の担当の時に『奪う女』『半熟売春』をやった)。次回は、大沢佑香主演で明るいものか、人妻もののシリアスなヤツのどちらか…と言われて、友田真希主演の人妻ものでシリアスをやりたいと即答。「お話は、成瀬巳喜男の『女の中にいる他人』のピンク版でどうか? 成瀬の見てない?こういう話なのよ…」。「おお、それいいんじゃないですか?」「そうだろ? じゃ、これでいこうか!」と、ほぼ成瀬の『女の中にいる他人』でいくことに(オレの中では)決定。


2008.2.3(日)

新宿モリエール。役者の千葉尚之くんが出ている「野良犬弾」の芝居見る。
日本人が難民となり、世界各地に、その人間的な(士農工商のような)等級により振りわけられるという、しかも舞台はその旅の船の中というアイデアのスケール感は面白いのだが、芝居の中味、特に後半になると日常的なやり取りに収れんしていき、演劇的なるものから遠のいていくばかりであった。


2008.2.8(金)

次回オーピー作品。五代の方からもこういうのやりたいと、ひとつプロット出ていたのだが、オレにはそのアイデア、どうにも乗れず、やはり成瀬でいこうとなる。


2008.2.10(日)

「おかしな監督映画祭」。五回目かな?
10分の短篇が18本。以前は全作品見るには、かなりつらいものもあったが、今回はあきることなくラストまで面白く見れた。レベル上がってきたよね。
しかも、今年度から「シネマアートン賞」なるものが出来、アートンが優秀作5本を選定し、それをアートンでかけてくれるということになった。これはうれしいよね。
継続は力なり…だ。


2008.2.11(月)

「ピンク映画本」の取材。松島氏のインタビューに、オレが答えるという形。オブザーバーに林田くんと中村勝則氏。
松島氏の労作による「ピンク映画50年史」の年表を見ながら、オレがそれを傍証していくという試み。
夕方5時から10時の喫茶店の閉店まで語ったが、これで終わるべくもなく、しょんべん横丁の呑み屋に移動して今度は酒を呑みながら継続する。
結局、合計7時間以上のロング・インタビューとなる。
映画の話をしているとホント楽しくて、時間はあっという間に過ぎていくのだ。


2008.2.12(火)

高円寺グッドマン。桜井明弘マンスリーライブ。


2008.2.13(水)

『女の中にいる他人』ピンク版。プロット上がる。仮題を『女の中にいる悪魔』とする。


2008.2.14(木)

プロット、会社のOKが出る。殺人シーンに対する条件つきではあるが。
キャスティング、一気に決まる。ヒロインの人妻役に『未亡人民宿』に続いて友田真希。他に、倖田李梨、華沢レモン、なかみつせいじ、竹本泰志といったところ。
クランクイン。3月23日。


2008.2.16(土)

桜井明弘ライブ。高円寺アリア。ゲストになんと、倖田李梨嬢。楽しいライブとなった。


2008.2.17(日)

「ペント・ジャパン」という雑誌で、「池島ゆたかの女優対談」という企画がスタート。仕掛人は中村勝則氏(司会も)。今日はその第一回目。
一回目の女優は、倖田李梨嬢。
夕方5時スタート。あっという間に8時。
狩猟。それからオレと中村氏は、近所の某女優がバイトしているバーまで行く。
なんと、そこで今日も桜井明弘ライブがあるのだ(今月は桜井さん狂ったようにライブをしていて、今月だけで5回。そのうち高円寺で4回というハードさ。オレも先月まで忙しくて行けない時が多かったので、今月は出来るだけ顔を出そうというわけね)。
終了後は、オレ、中村氏、某女優、桜井さんと焼き鳥屋でカンパイ。桜井さんは再終電車で帰るものの、残ったオレら3人はその後も呑み続け、なんたることよ、翌日の朝の9時過ぎまで呑み続けたのだった。
久しぶりに「やったね」、て感じだね。


2008.2.20(水)

府中のシネコンで『アメリカン・ギャング・スター』。


2008.2.21(木)

上野オークラ。日高ゆりあと『小鳥の水浴』観賞ツアー。「私も見たい」と言ってた最近知り合った巨乳AVギャル・あんな嬢も誘う。
まずは、上野傑作でオレの旧作ゲイ映画『ぼくとダディのこと』を見る。ゲイ映画見たことない2人に見せたかったことと、オレ自身もほぼ10年前のこの作品、見てみたかったというのもある。
いい映画だ。特に当時赤ちゃんだった五代の息子・つぶらがめちゃかわいい。つぶらの写真構成のシーンなんて、せつない感情がこみ上げてきて、グッときてしまった。当時ENKのK社長に大絶賛されたものだが、この作品ほど、ゲイという人種にリアルにかつ一種の共感と共に迫ったものは、オレの中でも他にはないだろう。そうそう、『恋する男たち』というものもあったな。あれもそういうスタイルの映画だったな。
ゲイ映画でしっとりしたところで、いよいよメイン・イベントの『小鳥の水浴』→『半熟売春 糸ひく愛汁』にのり込む。
オレの監督100本記念作品だ、
まだ冷静に客観的に見れないな。
それに今は、これを見てくれた人の感想を聞きたい。どう見られるのか? どう受け止められるのか? 今は、そっちの方に気持ちがいっている。
次は、5月に『未亡人民宿』ツアーをしたいが、なんとしても『Next』もつけてもらいたいものだ。