2006/10/12(木) オーピーに再度出したゲイ映画のプロット、OKが出る。 2006/10/14(土) 新東宝。福原組ロケ。 朝7時、つつじが丘集合。撮影隊は一路、伊豆高原のペンションへ。 午前11時、現地着。役者だけで映画に出るなんて何年ぶりのことだろう。ずっと役者もやりたいと思っていたが(ネットを見ると、役者業は引退同然の池島ゆたかと書かれていたりするが、確かに引退同然かもしれないけど、ホントは役者やりたくて仕方がないのだ。でも、オファーがなければ、やりたくても出来ないということ。つまり、全くオファーがないからやってない、やれないということね。ホント、今のオレって、肩の力抜けて実に理想的な役者体になってると思うんだけどね。ヘタなのは、ま、相変わらずだけど…)、やっとチャンスがやってきた。福ちゃん、ありがとう! いやぁ、楽しかった! ほんの数シーンの出番だけど、休み時間もいっぱいあって、オレの出番終了したの夜の10時くらいという、オレにとっては理想的な展開。福ちゃんには、ずっとほめ殺しされてるという感じで、オレはにやけっぱなし。ホント、役者って楽しいよ! 深町プロデューサーなんて、オレが老けメイクして現場に立った瞬間、「池ちゃんはオレのとこ初めて出た30くらいの時から、こういう老けメイクしてたんだよな!」と言うやいなや、いきなり涙を流したりしてね、オレもビックリしつつ、グッと来てしまったよ。 ホント、役者って楽しい! みんな、使ってよ。いや、使って下さい。お願い! 2006/10/15(日) オレは今日は出番なし。というか、昨日で終わった。さびしい。撮影隊と別れ、オレと同じく昨日終わった中村方隆さんと共に東京へと戻る。 こういう時って、ホント、さびしいよ。 2006/10/16(月) オーピーのゲイ映画初稿上がる。 2006/10/17(火) 「全力疾走女優の生涯、全記録」といううたい文句が目を撃つ『女優林由美香』という本が出版社から送られてきた。「PG」代表の林田くんと直井卓俊氏の編集、柳下毅一郎氏監修による360ページを超える大作だ。 この本については多くの人が多くの言葉を並べるだろうし、また由美香に関しては、多くの人が色々と語り、これからも語られていくだろう。だからオレは一言だけ言いたい。 この本は、林由美香だけを語っているのだけれど、同時に、由美香がかかわったピンク映画の15年間が照射されてくるところがすごいのだ。つまりこれは、1990年から2005年に至る、もうひとつの「ピンク映画史」でもあるのだ。今、あえて、もうひとつのと言ったが、他に「ピンク映画の15年」を総括する本もないと思うので、唯一のと言い直してもいい。(もうひとつ、唯一の…と言えるかも?がこの日記ね。これも雑誌時代からふくめると、もう15年は書いている。コレも、もう一つの「ピンク映画史」ね。) 「PG」を愛読してるような人にはぜひとも購入してもらいたい。発行、株式会社洋泉社。定価3800円。高い? うん、確かに少し高いかも。でも、一度酒を抜いてでも、5回メシを抜いてでも、ぜひとも手に入れてもらいたいものだと思うのだ。 2006/10/18(水) 次回オーピー・ゲイ映画のスケジュールが決められなくなってくる。当初は11月12日頃クランクインの予定でいたのだが、諸事情により、11月下旬クランクインにえなくなったのだ。 諸事情って何? 大きい理由がふたつある。 ひとつは助監督がいないということ。もうひとつは、主役のコがまだ決まらないということ。ま、はっきり言っちゃえば、いつもいつも、この二つの事情に振り回されているってことよ。 2006/10/19(木) ライブ・シンガーの桜井明弘氏のあらたなチャレンジが始まった。高円寺のバー「アリア」でのライブ。ママがオペラシンガーということもあって、マイクもアンプもないという生の空間。ここでのライブをこの日からスタートしたのだ。 基本的には、毎週木曜が桜井さんの日ということで、桜井さんがライブしてもいいし、桜井さんが他の人をブッキングしてもいいということらしい。 で今日は一回目ということで、桜井さんのワンマン・ライブ。 桜井さんにとってもこういうノーマイクという空間は初めてということで、最初はとまどい気味の感もあったのだが、後半になるにつれエンジンもかかり、最後の方はいつもの桜井節全開。いや、名曲「季節の隙間にしゃがみ込んで」に至っては、今までの中でも最高と言いたいほどのいい感じでした。 それにしても毎週ブッキングって、えらいたいへんだよね。歌ってみたい人、いる? いたら桜井さんに紹介するよ。 2006/10/20(金) 脚本家の五代暁子と、オーピー・ゲイのホン直し。 2006/10/25(水) 珍しくカゼを引き熱が出てしまい、今日まで3日間寝込む。つまり、3日も酒を飲まなかった。いつ以来? すごい。 2006/10/26(木) 桜井さんの「アリア」第2回目のライブ。われらが佐々木麻由子が「私も歌ってみたいかも」なんて言い出したので、麻由子、木の実葉と連れ立って行く。 桜井さん、2度目の慣れ、そして腹をくくったという感じもあり、リラックスしていい感じ。 ライブ終了後、麻由子はカゼが治らないからと帰ったが、それからはママのオペラ独唱あり、ママと木の実の歌あり、そして何と、ママのピアノの伴奏でオレがエルビスの「好きにならずにいられない」を歌ったりと、大合唱大会となってしまったのだった。オレ、ピアノの伴奏で歌ったのは、大人になって初めてのことだったよ。 でもね、いい気になってはしゃいだもんだから、また熱が出てしまい、翌日はまた一日寝込んでしまったのだった。 2006/10/28(土) 脚本・五代とオーピーのゲイのホン直し。 2006/10/29(日) 日高ゆりあのバースデー・パーティに行く。 2006/10/31(火) オーピー・ゲイのスケジュールがまた動く。11月25日頃クランクインと思っていたが、助監督問題(いない)と主役問題(まだ決まらない)で、さらに伸ばし、12月3日頃はどうかなとなる。 2006/11/1(水) 夜7時新宿の茶店。主役候補者のムーミンくんと面接。ムーミンってAVやってた時の彼の芸名ね。23歳。学生。会った瞬間、いいじゃんと思った。一応ホンを読んでもらい、彼に決定。気に入ったんだよね。でも、それから彼と深夜の12時半まで酒を飲んでるとは思わなかったよ。なんと5時間以上も2人で話してたんだね。ちょっと信じらんない気持。大体が、23くらいの男のコと話すことなんて何もないじゃないの。でもね、あっという間に時間は過ぎていったんだよね。妙に気が合う、話が合う。というか、色々話しかけてくる、聞いてくるんだよね。だから話がとぎれない。最近の若いコとそういう経験したことってほとんどないからビックリしたよ。ホント珍しいコだ。 実はカレ、スチールカメラマンの津田さんの紹介なんだ。2、3ヵ月前、「AVの現場で会ったコなんだけど、池さんに合うと思うよ」と言って、彼の名刺くれたんだよね。津田さんがそんなこと言っていたことなんて、かつて一度もないし、つまり、そういうことなんだよね、人間のエンって。 ともあれ、助監督が決まり(伊藤一平)、主役も決まった。関係各所へのスケジュール変更の件も、なんとかなりそうだし、これで、クランクイン、12月3日で決定だ。 2006/11/2(木) 実は一週間ほど前、荒木太郎監督から突然の出演オファーがあったのだ。しかも男の主役。これはやりたいと思ったが、荒木組のスケジュールが11月19日から23日。オレの方が25日インの予定だったので、こりゃムリだ、と判断し、くやしかったけど断ったんだよね。ところが、ここ2、3日で状況はまたも変わり、オレのクランクイン12月3日となったので、こりゃ荒木組やれる!となり、急遽太郎ちゃんにTELしたのだね、今日。でもね、でもだよ、太郎ちゃんの方は仕方ないので他の人に決めちゃってたみたいで、「えっ、そんな!?」となり、「でも、少し待って下さい。考えますから」となったのだね。 やりたい。福原組で役者の快楽久々に味わっちゃったもんだからね。でも、どうなるか? あとは天命を待とう。 でも、やりたい。しかも、太郎ちゃんのとこだもんね。何とかしてくれ! 2006/11/4(土) 新東宝・福原組アフレコ。 なんとオレ5時間待ちだよ。夕方5時に来てくれと言われていたのが、4時頃に助監督の佐藤から7時にして下さいとTELあり。そんなわけで7時に行ったのだが、それから待つこと3時間。始まったの10時過ぎ。5、6シーンなので、終了11時過ぎ。1時間もかからなかったよ。そのあとは主役の岡田くんのラストシーンをやり、それで全て終了。11時半くらいであったか。 それからは例によって飲み会。オレも2時過ぎまでは付き合ったが、それから高円寺のバンブーに一人で移動。バンブーで朝まで飲んでいたのだった。 それにしても、福原組楽しかったよ。ホント、上がりが楽しみだ。福ちゃん、ありがとう。久しぶりに役者の快楽を思い出させてもらえたよ。役者は、いいなあ…。ホント、楽しい。 2006/11/5(日) 劇団め組公演『KUGUTSU』を下北沢・劇小劇場で見る。女優の春咲いつか、星沢マリが同行。 内容は、劇団め組の定番、幕末「新撰組」シリーズから、土方歳三最後の戦い、五稜郭戦争に材を求めたもの。もちろん、近藤勇も出るし、沖田総司も出るよ。 最近のめ組の定番「時代劇シリーズ」の大味な展開ぶりには、若干へきえきしていたものだが、今回はよかった。め組のいいところが、とてもシンプルに発揮されていたとても言おうか…。 め組のいいところってたくさんあると思うが、オレ思うに最大の見どころのひとつは、鍛えられた役者たちのスキルにあると思う。舞台に出てくる、何かセリフを発する、そしてソデに引っこむ…という一連の動作を何のけれんもなく正確に誠実にやり続けられるという技術。それがある瞬間、美しさにまで高められる時がある。今回の芝居はまさにそういう芝居であった。 特に今回よかったのは、近藤勇役の酒井さんという役者。ここ2、3本、ぐんぐんよくなってきていて、あの人、いいなァ…なんてオレも思っていたのだが、今回ははじけました。そのたたずまいの存在感、そして美しさ。オレはやられちゃいました。泣けました。酒井さんの近藤勇は、め組という劇団の追求しているテーマ(日本人であることとは? 男とは? 侍の生き様とは?……等々)を見事に体現していたと思うのだ。 観劇後、同行した春咲、星沢と表で再会すると、2人とも腫れぼったい眼で化粧も見事にはげちゃってました。その後が楽しい飲み会になったのは言うまでもないだろう。 2006/11/6(月) 久しぶりに映画館で映画を見る。1ヵ月ぶりね。 府中のシネコンで『ブラック・ダリア』。 大昔は大好きだったデ・パルマも最近はなァ…。ガックリでした。 2006/11/7(火) 府中のシネコンで『父親たちの星条旗』。 やられた。すばらしすぎる。この作品で、クリント・イーストウッド(76歳)はカイブツとなった。 余韻にひたってフラフラ街をさまよっていると、太郎ちゃんからTEL。荒木組、オレに決定したいとのこと。思わず、ヤッホー!だよ。 なんてシアワセな夜なんだ。 2006/11/8(水)〜9(木) 五代親子とディズニー・シーで遊ぶ。 2006/11/10(金) 荒木組の準備(19日クランクイン)。そして12月3日クランクインの自分の組の準備に追われる。 2006/11/11(土) 荒木組衣裳合わせ。 2006/11/12(日) オーピーのゲイ映画の決定稿上がる。 2006/11/15(水) オーピーのゲイ映画、台本入稿の直前に山口慎次くんというAV男優と面接する。主役の男のコ、ムーミンくんでいこうと思っていたのだが、いろいろと不安な要素も出てきてどうしたもんかなと思っていたところ、もう一人の主役となる樹カズ、そしてムーミンくん自身から、山口くんという名が出て来たのだ。二人言うには、なんでも今のAVの若手男優の中では、最も芝居志向のコだという。しかも、イケメン。そんなわけで急遽会ったってわけ。 会うなり、いきなり台本を見せ読んでもらう。読後、「どうだ?」と聞くと、力強く「やらせて下さい」と言うではないか。彼のイケメンぶりと声のよさに、オレはいきなりスイッチが入り、彼にやってもらいたいと思ったわけだが、あとは本人の問題。ゲイはいやだとか言われたらどうしようもないもんね。 それが、力強く「やりたい」、しかも「こういう、つまり映画に出るチャンスを待っていたので、それがゲイでも問題ありません」とまで言うではないか。なんて、いいヤツ。 ムーミンくんには悪いが、即彼に決定。 キャスト表を書きかえ、入稿となったのだった。 2006/11/16(木) 府中のシネコンで『手紙』見る。 最近、原作ありの映画見ると、そのほとんどが原作の面白さに負けている。特に原作が長編だと映画は全然追いつけない。評判を取った『嫌われ松子』でさえ、オレは原作の方がずっと面白かった。 そう思っていたところだったので、ちょっと驚いた。子の映画は原作よりずっとよかったのだ。ま、原作の方も、東野圭吾にしてはチトどうかなと思う程度のデキだったので、そんな手ばなしで、こっちの方がよかったというほどのことでもないのだけどね。 何がよかったのかって、いろいろあるとは思うけど、ひとつだけ言うと、主人公の青年の才能を、歌ではなく、コント屋に変えた点に最大の要素があると思う。 もうひとつ、杉浦直樹がよかったなァ…。クリント・イーストウッドみたいだったよ。 2006/11/17(金) オーピーの印刷台本上がる。東映ラボにて助監督の中川と最初の打ち合わせ。 そして、福原組の初号へとなだれ込む。 期待を超える作品だった。 からみ(Hシーン)のしめる割合の非常に多い、つまり、からみだらけの映画なのだが、そのからみ(Hシーン)がドラマを転がしていくという、これまで誰もがなしえなかった、またはやろうとしても出来なかった、または、さけていたことに挑み、それが見事に成功したという、ピンク映画史上画期的といっていい作品になったと思うのだ。 オレがよく言う言い方だと、「ピンク映画」は「ピンク」と「映画」と両方がバランスよく配合されていなくてはいかんというのがあるんだけど、ここでは、「ピンク」と「映画」をやはり別ものとしてとらえている考え方なんだよね。まさオレの作品がそうだよね。オレにとって「ピンク」はやはりサービスなのだ。 ところが、福ちゃんのヤツは、「ピンク」しか描いていないのに、いつしか「映画」になってゆくという、これぞ「ピンク」の錬金術という作品に昇華されているのだ。 やられた。まいりました。 てなことを言ってると、何やら難しげな映画と思われるかもだけど、とんでもない。とにかくリアルで濃密なHシーンがすごいし、出演していて話を知っているオレでさえサスペンスを感じる。そう、作品全体に張り詰めた緊迫感で最後まで一気に見れるというエンタテインメントでもある。 再度。やられた。まいりました。 2006/11/18(土) スタッフ、キャストに台本発送。 2006/11/19(日)〜21(火) 荒木組、名古屋ロケ。 初日。 午後2時、京王線つつじが丘集合出発。一路名古屋へ。 無性にコーフンし、ワクワクしてるオレ。 夜8時頃、名古屋着。繁華街をロケハンし、メイン・スタジオとなる南映画劇場に入る。くすんで汚い小屋というイメージでいたのだが、とんでもなかった。キレイでピカピカしていてなんとも清潔な小屋だった。 協力していただく方々をバタバタと紹介される。南映画の方々はもちろんだが、その他にも数人。その中でも中心となって色々とやってくださる方の一人が「ピンクリンク」の太田くん。この人はなじみね。そしてもう一人が、現地ではシネコンの支配人をしてるという森さんというお方。(このお二人が現地でのプロダクション・マネージャーみたいな感じで、現地の人々の指揮、そして、オレらの世話を、実にかいがいしく、実に親身になってやっていただいたというわけ。) まずは夕食。森さんの奥さんの作ったというお料理がガーンと並べられ、オレらはうまいうまいとガツガツ喰ったのだった。 食後は、映写室でのブツ撮り。オレはそのあいだに太田くんの指導で映写技師のサワリを教えてもらう。(今回の映画のストーリーをかいつまんで言うと、古ぼけた映画館の中年館主(オレ)と若い女(平沢里菜子)とのプラトニックなラブ・ストーリーね。そんなわけで、オレも少しは映写のテクを知っておく必要があったというわけ。) 23時頃終了。それからロケ隊は荒木監督ごすいせんの天然温泉の大浴場へと向かう。このオフロ、ホントよかった。24時終了。劇場へもどる。撮影の志賀ちゃん、助手さんたちと飲み会。午前3時終了。起床は午前5時。2時間しか眠れないじゃんかよ。 そうなんです。ロケ隊は全員が映画館泊。でもオレと平沢だけは個室だった。オレは映写室の隣にあるコンクリートの3畳くらいの客間。平沢はオレのとこと反対側にある、これまた3畳くらいの和室。オレの部屋には、真夏のプールサイドにあるような、何ていうんだろう、日ヤケ用の体を伸ばして横になれるビニールのイスあるよね。あれがひとつあって、それにフトンを敷いて寝たってわけ。いや〜、実に快適でしたね。 他のスタッフ、キャストはスクリーン前にフトンを並べてのザコネ。これはこれでいいよね。 なんてステキなシチュエーションであることか。 コーフンはしてたけど、前日もほとんど寝てないし、オレは眠れたというわけ。 2日目。 2時間後の朝5時、助監督に起こされ。いよいよ過酷な2日間が始まる。でも外はまだ暗い。頭は重いし…なんて言ってる間もないほどの2日間がスタートした。(今回の撮影ほとんど2日撮りなんだよね。東京へ帰ってからも1日あるけど、それは全体の10分の1くらいの分量だしね。つまり名古屋での2日間がほとんど全てと言っていいのだ。) オレは今日は出てないシーンはワンシーンのみ。あとは出ずっぱり。なんと20シーンある。衣裳を変えては、ハイ、次って感じで、のんびりしてる時間は全くなかったね。 映画館での撮影ということで、営業時間の午前11時から夜9時までは映画館は使えない。よって、午前11時まで、そして夜9時過ぎが勝負なのだ。 あっというまに、11時までに10シーン以上を撮り上げる。なんてスピードだ。オレも早いけど、スケジュール見て、こんなに撮れんのかよと思っていたものだ。それが、出来た。驚くべき早さだった。別に手を抜いてるとかは当然ながら全然ないのだ。それがこのスピード。テスト、本テス、本番と実に小気味よく展開していく。いい感じ。ムダがない。荒木太郎、恐るべし…というテンポのよさであることよ。 11時からは近所のスナックでの撮影。終了後は劇場で昼食(言い忘れたが、朝昼晩夜食と、全て森さん指揮による現地スタッフの方々がやってくれている。ちなみに朝は劇場ロビーで、熱いゴハンとおみそしる、納豆、タマゴ…ね。納豆好きのオレは、朝7時から2杯飯ね)。 昼食後は繁華街のラブホテルを借りての撮影。オレはピンクでは3年ぶりにHシーンをやる。相手はレモンちゃん。なんと3年前(『欲求不満の女たち』という自作ね)も相手はレモンちゃん。百パーセントの女だぜ。 たまに裸になってHシーンをやってると妙に恥ずかしいものだが、鬼の荒木太郎、そんな感慨にふける間もないほどのスピードであっという間にHシーン終了。 劇場にもどり夕食。 それから招き猫のような置きものがチャーミングな大須の繁華街で3シーン。 終了、10時。 劇場にもどり、昨日の天然温泉。 劇場へもどり飲み会。一人減り二人減り、最後はオレと役者の岡田くんのみ。2時過ぎたあたりで、又明日は5時起きだからもう寝ないとね、と散会。眠りにつく。 3日目。 撮影2日目にして名古屋ロケ最終日。 朝5時半に起こされる。寝ぶそくでモウロウしてるが納豆飯はうまい。またも3杯。 11時まで劇場での撮影。モウロウとしてくる分、肩の力が抜けて逆にいい感じ。「池島さんは疲れさせるに限るな」という荒木監督のほめてんだか何だか分からない言葉が飛ぶ。 11時からはオープン。名古屋っていいなァ…と思う。高い建物が少ないせいか、空が広い。道も広い。とても大らかないい気分になる名古屋っていいなあ…。 午後3時頃、ロケ隊はラブホテルでの撮影へ向かう。オレは今日初めてと言っていい休けいタイム。こりゃ数時間眠れるなと思っていると、支配人さんにつかまり、太田くんと喫茶店に連れていかれる。それから劇場にもどると、支配人さんが「池島ゆたかが来てるよ」と言ってたということで、お客さんたちにつかまり握手会、懇談会となる。ま、オレはああいうシチュエーションでお客さんと話すのは好きなので楽しかったけどね。ま、オレの旧作をたまたま上映中だったりで、それなりに話ははずんだよ。オレが今回は役者で来てて、しかも主役だと言うと、ヘエー、いつ以来よ、とか言ったりしてね、みなさん、よく見てて、よく知ってる方ばかりということよね。 5時過ぎ、ベッドに入る。映写機のガラダラの音に包まれ眠りに入る。なんというシアワセ…。映画館主役で映画館でいく日もロケして、映写室の横で仮眠する。これがシアワセでなくて何なのさ。オレって映画の中の申し子だなァ…としみじみ思い、シアワセな眠りに入ったのだった。 9時頃、フッと目がさめる。ちょうどロケ隊も帰って来ていた。いよいよ、今日のロケ、そして、作品中のクライマックスへと入る。 映写室、そして、客席でのシーン。 終了、翌朝の5時すぎだったか? よかったのか、どうか? あとは天命にまかす。とにかくやった、やれた。 控室で荷物の整理をしてると太郎ちゃんが顔を出す。言葉をかわす。 朝7時頃、南映をあとにする。 ありがとう、名古屋、ありがとう、南映。ありがとう、太郎ちゃん。そして、現地の協力者のみなさん、ありがとう。(忘れてた、オレのファンのつぐちくんもありがとう。急なお願いだったけど、エキストラを10数人も呼んでくれた。助かった、ありがとう。あ、そしてもう一人、意外な人、10年くらい前までピンク女優で活躍してた石川恵美ちゃんも現地の人で、一日顔を見せてくれた。なつかしかったなぁ…。) さらば、名古屋。また会う日まで。 2006/11/22(水) てなわけで、昼過ぎには東京のつつじが丘に着いていた。早いな。あっという間だった。しかし、実に濃密な3泊3日だった。 シアワセ…。 それにしても、オレは今回久しぶりに人々を巻き込んでいく「映画」という運動体の魅力、パワーというものを再認識したよ。「映画」というものが、本来的本質的に持っている祝祭的、狂躁的な運動体としてのパワーというものをね。(なんせ、現地で献身的なまでにオレらのめんどうをみてくれた人たちが数十人もいるということね。) 「映画」ってスゴイ! 今回の現場はそういう意味で「映画そのもの」だったよ。 そして、「映画そのもの」に触れられた、いや、そのド真ん中近くにいられたということに、つまり、今回の「映画」そのものに感動したいのだ。 ホント、楽しかった。 早く見たい。上がりが楽しみだ。 祭りは続くのだ。どこまでも。 2006/11/23(木)〜24(金) 自分の組の準備にさっそく取りかからなくてはならないのだが、まだ酔っているのか、疲れもあるしね、ボンヤリすごす。 2006/11/25(土) ロケハン。最近の傾向として、ロケハンすると気が入ってくるというのがある。そういう意味で、やっと気が入る日。 ひとつ誤算。撮影の志賀ちゃんが急に来れなくなる。オレの想像では荒木組の疲れだと思うが、体調を悪くしたという。オレは志賀ちゃんとはもう50本近くやってると思うが、ロケハンに来れないというのは初めてだ。それも痛いが、志賀ちゃんの体が心配だ。 とはいうものの、やはり志賀ちゃんのいないロケハンは、今ひとつピントがあわないというか、イメージが固まっていかないとこがある。志賀ちゃんがいると、思わぬアイデアを言ってくれたりとか、ヒントがいっぱい転がっているのだ。やはり、志賀ちゃんには、いつもそばにいて欲しい。 ロケハンの最後は阿佐ヶ谷のスターダスト。久しぶりだ、スターダスト。ママは相変わらず。ステキだ。 そのままスターダストで飲み(映画好きの客が2、3人いて、それで盛り上がる)最後に高円寺バンブーで少し飲み、最終で帰る。 2006/11/26(日) 役者リハ、衣裳合わせ。 今回はほとんど男2人の話で、それ以外はほとんど1〜2シーンのみ。よって今日は、メインの樹カズと山口慎次、そして女優の春咲いつかのみのリハーサル。カズは前日のロケハンでカズのアパートにも行ったので、その時に衣裳合わせしたので、山口くんと春咲のみ衣裳合わせ。山口くん、オシャレなので基本的にオッケー。サクサクと終わり、本読み。山口くん、素材がいいというか、カオもよし、声もよし。あとは気持の問題。カズの方が心配。活舌悪いし、セリフがすべる。カズ、たのむよ。 2006/11/27(月) 終日、コンテ。 2006/11/28(火) 志賀ちゃん、演出部とコンテ打ち合わせ。今回は内容がシンプルなせいか、打ち合わせも3時間ほどで終わる。 あとは、飲み会。 2006/11/29(水) コンテ。 新東宝の福ちゃんからTELあり。急遽来年の1月中に2本撮りしてくれとのこと。そのうち1本は2月9日公開に間に合わせてくれとの注文。えーっ!だよね。来年1月にはオーピーで『昭和エロ浪漫』のパート2をやる予定なので、一気に3本だよ。一ヵ月で3本というのは以前も経験してるし、やれないことじゃないけど、年末年始をはさんで、しかも助監督もいないというこの状況の中ではちと無謀。うれしいけどね。福ちゃんには、やるけど、少し作戦を考えさせてと言う。 注文のキモは、以前やった『淫乱なる一族』の時は、2作が相互にリンクするものということで、パラレル・ワールドものをやったけど、今回はそういうくくりはない。なんでもいいということだ。さて、どうするか? 2006/11/30(木) 荒木組アフレコ。 現場も早いが、アフレコも早い。快調なペースで夜の7時半に終了。あとは飲み会となる。アルコール全然ダメな太郎ちゃんも上機嫌で24時まで付き合う。それからはキャビンの中村さんたちと朝までコース。 2006/12/1(金) コンテ。 新東宝の件。2本撮りはやめて、1本は2月9日公開に合わせて1月に撮影(オーピーの昭和2は、会社がOKなら2月上旬)。そして新東宝のもう一本は3月上旬撮影。 新東宝からも、それでOKが出る。 月いちペース。大変だけど、楽しみだ。オレはホントは毎月やりたいくらいなのでね。 2006/12/2(土) 五代暁子と新東宝の企画打ち合わせ。 |