2002.2.14(木)

新東宝作品『BLACK OUT』(仮題)の決定稿上がる。印刷へ回す。
夜は、オーピー作品『デラシネノオンナ』(仮題)のコンテ。オーピーが2月24日クランクイン。新東宝が3月2日のクランクインだ。初の2本撮りに向けて、いよいよあわただしくなってきた。

2002.2.15(金)

午後1時、梅ヶ丘のセメントマッチ事務所で、オーピー・主演の若宮弥咲の衣裳合わせ。イッちゃってる女という特殊な役柄なので、衣裳も少し凝ろうよということだ。脚本の五代にイメージがあり、「ATUKI OHNISI」ブランドでいこうということになる。さいわい、五代がそのブランドたくさん持っているのだ。
夕方、新東宝印刷台本上がる。助監督の佐藤吏と取りに行き、それから新東宝へ。打ち合わせとロケハン。
夜の10時から12時、阿佐ヶ谷のスターダストで呑む。帰宅後は朝3時までオーピーのコンテ。

2002.2.16(土)

夜、オーピーへの出演が急遽決まった役者2人、そして音楽の大場一魅と高円寺の喫茶店で会い、打ち合わせ。
打ち合わせ後は家へ真っすぐ帰る。高円寺に夜いて呑みにいかないなんて…!? ま、それだけ今回は余裕がないのだ。

2002.2.17(日)

ロケハン。2本分まとめてやるという強行軍。オレとキャメラの志賀ちゃん、演出部は2本分なので5人の総勢7人という大部隊。朝7時半荻窪集合。オレは結局徹夜で行く。荻窪のスタジオから始まり、烏山のスタジオ、東映化学、後藤大輔宅、赤羽のスタジオ、高円寺周辺、ゴジラや、新東宝と見て回る。終了、夜7時。
それから中野坂上の某ファミレスに場所を移動し、夕食を取りつつコンテを含めた密な打ち合わせ。終了10時半。
オレは1人でスターダスト。深夜1時まで呑み帰宅。徹夜のくせに頭が冴えて眠れそうもない。オーピーのコンテにかかる。朝8時までやってしまう。

2002.2.18(月)

公開タイトル決まる。オーピーが『欲情牝 乱れしぶき』、新東宝が『猥褻ストーカー 暗闇で抱いて!』。オーピーは(たぶん)6月頃公開、新東宝は3月29日公開だ(ということは今頃やってるんじゃないかな? 劇場へ急げ!)。

2002.2.19(火)

終日コンテ。オーピーに続いて新東宝の方にもとりかかり始める。

2002.2.20(水)

オーピーの役者リハーサル。午前11時シネキャビン集合。衣裳合わせ、本読みと続いて、最後に立ち稽古。今回のオーピーはメインの3人がほとんどピンク初めてということで大変そうな予感があったので、今日の段階で、動きは基本的に全部決めておこうということでやったのだ。
キャスティング。主演に若宮弥咲(ピンクはこれで3本目だが、劇団星座の看板女優・手塚美南子といえば、その実力は確かなものがある)。その妹役で非常に重要なポイントを占める役に倉沢七海(ピンク初出演。AV歴は数年という女のコ。12日に特訓した人だ。不安定だが、やる気がすごい)。AV女優役に渋谷千夏(AVもやったことないという変わりもの。面白い女です)。男の主演に佐藤広義(ピンク初出演。文学座出身の32才)。他は、なかみつせいじ、樹かず、色華昇子、神戸顕一、河村栞、浅井康博というレギュラー陣が続く。声の出演に水原香菜恵。そして、かつてのピンクの女王・橋本杏子の生後3ヶ月という女の赤ちゃんが今回のひとつの目玉ね。
終了、夜の9時。10時間に及ぶ長丁場だった。終了後はいつもはみんなと呑みに行って朝までというパターンなのだが、今日は真っすぐ帰宅。明日が新東宝のリハーサルだからだ。帰宅後は新東宝のコンテにかかる。

2002.2.21(木)

新東宝・役者リハーサル。午後1時、シネキャビン集合。
キャスティング。主演の全盲の女役に、オレの組初出演となる葉月螢。映画の導入部でストーカーに殺される若い女性に新人の真咲紀子(去年、AVの現場で出会ったコ。気に入ったのでやってもらうことになる。そういうコって、水原香菜恵以来となる)。ストーカー野郎の母親役に美麗(オレの作品3本目)。
男の方は、主演のストーカー役に進境いちじるしい入江浩治。刑事役にオーピーに続いて佐藤広義(葉月と恋に落ちるといういい役)。
他に、樹かず、色華昇子、かわさきひろゆき、河村栞、石動三六、神戸顕一とレギュラー陣。
ま、オーピーに比べると少し安心のキャスティング。それもあってか、終了、夜の8時。
真っすぐ帰宅。翌日の朝9時まで新東宝、コンテ。

2002.2.22(金)

橋口組初号見る。新東宝作品『探偵物語 甘く淫らな罠』。どうにも広がりのない展開に今ひとつ乗れず。Hシーンもワンパターンが目につき、せっかくの好素材、ゆきがもったいない感じ。−なんてね、人の映画には色々と言えるもんなんですよ。ま、好感・橋口くんには、また頑張って面白い映画を撮ってもらいたいものだ。
打ち上げにも行く。クランクインを2日後に控えて、そんな余裕あるハズもないのだが、それ以上に、精神的な欲求不満というか、渇きを強烈に感じてしまう日々が続き、たまにはみんなと酒を呑んで大声で話したかったのだ。
新東宝を急遽やることになってからここ3週間というもの、まったく遊べない日々が続き、精神的なピークという感じなんだよね。オレのクランクイン前のスタイルって、インの3週間くらい前から徐々にペースを上げつつ、それでも2日に1日は確実に遊んでみたいな感じで、少しづつ集中力を高めていくってスタイルね。それがまったく遊べないんだもんね。これは疲れるわ。
打ち上げ、11時くらいまで呑み帰宅。
オーピーのコンテにかかる。明日がキャメラマン、演出部とのコンテ打ち合わせなので、酔いもすっ飛び、エンジンがかかる。結局、翌日の昼過ぎまでやってしまう。

2002.2.23(土)

オーピー・クランクイン前日。夕方5時より、中野坂上のファミレスでコンテ打ち合わせ。ほとんど寝ないで行く。終了10時。とりあえずホッとする。今日から4泊5日で五代宅に泊まる。11時、五代宅着。それから五代と呑み始める。深夜3時お開き。やっと寝れることになる。

2002.2.24(日)〜27(水)

オーピー作品『欲情牝 乱れしぶき』撮影。(今回は、オーピーが24日から27日までの4日撮り。2日、間をおいて、3月2日までの4日間が新東宝。強行軍なので、珍しく2作続けての4日撮りのスケジュールにした。)

初日。今回は初日と2日目の烏山スタジオが最も重要。劇中、最も重いシーンがこの2日間に集中してるのだ。
ドキドキして若宮弥咲と倉沢七海の芝居を見つめる。2人の芝居がまた多いのだ。いい、2人ともいい。若宮はさすがだ。心配なのは倉沢だったが、驚くべき集中力を見せる。ホッとする。
これまた新人の渋谷千夏、独特のキャラのあるコで、これまた面白い。いきなり陰部に大きな3つのピアスをつけてあらわれたのはビックリしたけどね。いきなりだったので、何を考えてんのよ、と少しは怒ったけど、これは使わない手はないと方向転換。さいわい、ヘアーも全部剃っていたので、アソコのピアスのクローズアップってのを撮れた。かなりきわどい、やばいカットがいくつかあるね。いやぁ〜、オモシロかった。
同じく新人の佐藤広義。文学座出身の実力やいかに?… いやぁ〜、オドロイた。これが実に固いのだ。どうしたらいいのよ、という感じね。いや、ホント、どおしたらいいんだろう?
なかみつちゃんはさすがだ。この人が最近すごいなと思うのは、もう、役としてそこに存在しちゃってんのね。うまいとかヘタとかを超えた世界というか、その役の人物としてそこにいるのね。これはすごいよ。
初日は集合朝7時半、終了、夜中の2時半という、ま、半徹夜であった。ここ2、3日、ほとんど寝ないでここまで来たので、体はかなりキツクなっている。

2日目。この日のハイライトは、橋本杏子の娘である、生後3ヶ月の赤ちゃん・蓮華の登場だ。驚いたことには、この赤ちゃん、よく泣くコではあったが、キャメラが回りだすと、その瞬間、ピタッと泣きやみ、おだやかな表情となるのであった。それが1回や2回という話ではなくて、全カットそうだったもんだから、しまいには全スタッフ・キャストで拍手喝采よ。さすが「女王・橋本杏子」の娘というべきか。
また、その蓮華ちゃんのおかげで、オレがいつかやりたいものだと思っていた、赤ちゃんのいる横での夫婦のSEXを撮ることが出来た。ものすごいリアルな感じだぜ、きっと。もうひとつ、母親のオッパイを吸う赤ん坊ってのも撮ればよかったなと。これは反省。(母親役の倉沢の乳からはミルクが出ないけど、赤ん坊は勘違いして吸いついたに違いないと思うのだ。)
もうひとつのハイライト。その倉沢のHシーン。
Hシーンになるや、それまでのどこか自信なげな顔つきが一変して自信にあふれた顔つきになるのだった。それは豹変といえるほどの変わりようで、その全身から発されるスケベのパワーにオレはKOされてしまった。次に出てもらう時の楽しみがまたひとつ増えたぜ。
2日目は、集合朝の9時、終了、深夜の3時。この日も半徹夜ね。重要な2日間が終った。倉沢のがんばりにそれなりの手応えを感じてきた。

3日目。集合、午前10時。少しラク。
大変な2日間が終ったので今日と明日はかなりラクなのだ。今日の予定は8シーンのみ。
余裕があるもんだから、夜の新宿西口のオープン・ロケでは歩道上にレールを堂々とひいたりして、堂々と移動撮影までしてしまった。
終了、夜11時。
やはり4日撮りはラクだなあ。

4日目。集合、朝8時半。この日はもう終ったような感じがするほどラクな日和ね。
それもあって、3日後インする新東宝の方もついでに食っておこうということになり、なんとこの日はオーピーが7シーン、新東宝2シーンの計9シーンのみ。
終了、昼の2時半。
オーピーの方のビデオ映像の画面撮りなど少々こぼしてしまったが、オーピーはこれで一応クランクアップ。新東宝は正式には今日がクランクインだ。

2002.2.28(木)
終日、新東宝、コンテ。

2002.3.1(金)
新東宝作品クランクイン前日。午後4時。中野坂上のファミレス。キャメラマン、演出部とコンテの打ち合わせ。終了、夜10時。今日からまた4泊5日の五代宅泊が始まる。

2002.3.2(土)〜5(火)

新東宝作品『猥褻ストーカー 暗闇で抱いて!』撮影。