2004.9.17(金)

『愛のラビリンス』アフレコ。
今回は時間がかかるとは思ってた。主役の森健人くん、いくら器用とは言ってもアフレコ初めてだし、他に、綱島渉、紅蘭という難物がいるからだ。
しかし、それにしても…終了、深夜の2時半とは…。こんなにかかったのいつ以来だろう? 記憶にない。ということは、初めてかよ!
森くんは、器用だけどセリフが口先。それにHシーンになると、いきなりリアリティなくなり、「ア〜、ア〜」と単調にあえぐだけになる。綱島くんは、芝居とかセリフとか以前の問題。たのむからちゃんとしゃべってよということね。紅は…なんなんだろう。ま、いいか。綱島と紅に関してはキリがなくなる。仕方ない。何も言うまい。
一方、本多菊次朗、神戸顕一、牧村耕次はさすがです。ホッとするよ、ヤツらがやると。
終了後の飲み会。普段はぐったりと疲れ切り、1時間も飲んでると耐え切れなくなり、いつしか寝てしまうというのが最近のパターンなのだが、最も疲れたといえる今回なのに、コーフンさめやらずというか、妙に頭がギラギラとさえ渡り、全く眠気にもおそわれず、朝の7時か8時くらいまで飲んでいたのだった。

2004.9.18(土)

夜の7時からラッシュ。終了後は音楽の大場一魅と打ち合わせ。
そして飲み屋へ移動。「竜盛屋」。役者山本竜二が始めた店がちょうどシネキャビンの真裏にでき、今日がその開店日ということで、キャビンの中村さんらとさっそく行ったというわけ。さすが竜二の店とあって、AV関係者、AV女優でごった返している。オレの知り合いも多く、竜二とも久しぶりに会えたし、大いに盛り上がる。
「竜盛屋」の宣伝をひとつ。料金も安いし、料理もちょっとひねっていてなかなかうまい。それにAV女優のたまり場的な店にもなりそう。というわけでぜひみなさんも行ってみて下さい。住所は新宿1-30-12、ニューホワイトビルB1.シアターサンモールの向かいという感じです。そんなわけでヨロシク。

2004.9.23(木)

下高井戸シネマで、メル・ギブソン監督作品『パッション』見る。イエス・キリストの最後の12時間を描いた衝撃作だ。評判以上にえげつない残酷シーンが続く。気の弱い人には、とてもスクリーンを正視できないほどだと思う。でもオレには、それ以上とどいてくるものがないのだ。だから、何なのよ、と言いたくなるのだ。かつて見たパゾリーニの『奇跡の丘』のキリストにはえらく感動したものであったが…。

2004.9.26(日)

『愛のラビリンス』ダビング。
終了、深夜12時。ま、こんなもんか。
今回の映画は、珍しいことにダビングで初めて手応えみたいなものが出て来た。いつもは現場中に「今回はいいなあ…」とか「今回はダメだァ…」とか思うものなのだが、今回はさっぱりわからなくてここまできたのだった。
ところがダビングしていて、「いや、ひょっとして、今回いけるのかも…」、そして進行するにつれて、「いや、今回いいじゃん」と思えてきた。
ま、分からないが、ひっょとしたらまあまあのものになってるかもね。公開は来年の1月の上野世界傑作です。夢よもう一度の「レズ・ゲイ映画祭」、青山スパイラル・ホールに行けるかもの希望が少し出て来た。みなさん、よろしくお願いします。

2004.9.30(木)

『愛のラビリンス』0号試写。
ダビングの時から思えて来た気分のピークなんだろうけど、とてもいい映画に思えてしまった試写でした。
打ち上げ。朝の7時までしとど飲む。

2004.10.1(金)

新宿東急で『インファナル・アフェア 無間序曲』見る。前作はとても面白かった印象があるが、今回の「エピソード1」はオレだめ。複雑怪奇でついていけない。前作見てるオレでさえそうなんだから、前作見てない人は全くわけがわからないんじゃないの。

2004.10.3(日)

新宿タイニイアリスで河童塾という劇団の『IN YOUR SOUL』という芝居見る。あることがきっかけで、登場人物それぞれがかかえる心の闇が開かれ、ひとつひとつの謎がときあかされていく…という芝居のアイデア・構造は2週間ほど前に同じくタイニイで見た「IQ・150」という劇団の『浮人形』という芝居に驚くほどそっくり。ところが、演劇的魅力を発散しまくった『浮人形』と比べると、こちらはいかにもぜい弱。映画を撮るという行為から、つまりカメラを向けるということから、それぞれの心の闇が照射されていくという導入部はいいのだが、いつしかその映画を撮るということが忘れさられていき、芝居の中で意味を持たなくなっていくというのがね、どうにも「?」なのです。

2004.10.4(月)

『愛のラビリンス』映倫試写。
いつ来ても映倫で見るってイヤなもんでね、監督なんて「まないたの鯉」状態というか、ホントいやなもんです。
でもまあ会社の受けはそんな悪い感じでもないみたいで、ホッと一息。来年一月の公開時の舞台挨拶も決まり、前回のゲイ映画『恋する男たち』も、上野傑作での舞台挨拶から始まり青山スパイラルの「レズ・ゲイ映画祭」まで行けただけに、これはさいさきいいなと思うしだい。
試写後の会社側とのミーティングでは、いつものように次回作の話となったのだが、驚いたことに次回は2本まとめて撮らないかという話になる。簡単に言うと、オレが今年の春先にやった新東宝での2本撮りと同じなのだが、ディテールが違う。新東宝の時は、一本一本は独立し完結しつつ、二本まとめて見てもひとつの話とるようなヤツという、えらいむずかしい企画を要求されたのだが、オーピーの場合は、単純に前編・後編ものをということで、その点かなりラクなのだ。つまり、ものすごく単純に言うと、2時間ものを撮れということだからね。
でもひとつネックがあって、ネタが決まっている。それはSMなのだ。
ガーン!! とうとう来たか!という感じだね。はっきり言ってSMものは難しい。まず女優えらびからして大変なのだ。SMと聞いただけで「NGです」「やりません」という女のコが実に多いのだ。それに緊縛の専門家をたのまなくてはならないし、色んな点で予算も違ってくる。はっきり言って、一番やりたくないジャンルなのだ。(会社側は、杉本彩の『花と蛇』がイメージとしいあって、あんな感じのものを、ということなんだな。)
しかし、一本でも多く撮りたくてウズウズしてるオレがちゅうちょするハズもなく、あ、やります、と即答ね。
ま、なんとかなるさ、というオレのいつもの楽天主義なんだけどね。
んー、とりあえずは女優だ。喜んでやってくれて、かつ、2時間ものの主役としての色んなものを持ってる人…。
撮影は2本まとめて12月の10日頃からを予定する。ンー、緊張してくるなァ。

シャンテ・シネで評判の『スウィング・ガールズ』見る。傑作だ。実に面白い。見事にノリとテンポとハッピーにあふれた映画。この映画見た人全部が、きっとジャズを好きになってしまうに違いない!と断言できる。それほど楽しい映画。
ま、色々とあるんだが、オレが一番気に入った点をひとつだけ言うと、高校生という思春期まっ盛りのコたちの集団劇でありながら、青春ドラマにつきものの、というか、ある意味それしかないという、愛とか恋とか性とか、そういうものがこの映画にはカケラもないという点だ。(正確に言うと若干はあるのだが、それでさえもこの映画はあっという間にギャグにして吹き飛ばしてしまうのだ。そのあざやかさがたまらない)。それゆえ、この映画はただの青春映画ではない、青春ファンタジー映画に突き抜けているのだ。
ひとつだけ文句がある。
高校生音楽コンクールに出場すべく、演奏シーンなどおさめたビデオをコンクール側に提出しなくてはならないのだが、その郵送を頼まれた主人公の女のコがそのことをすっかり忘れてしまい、期限切れで出場出来なくなる…かも?…というくだり。本編中最も盛り上がるクライマックスに向けてのサスペンスフルな展開なのだが、そこだけは唯一、最大の欠陥としてどうにも納得出来ない。
第一、忘れるはずがないからだ。だって命がけでやってんだもん。メシを食うことは忘れても、あのビデオの郵送を忘れるなんてことはどう考えても200%ありえないのだ。あれこそ唯一最大の欠陥だね。人こどながら、オレはくやしくて仕方ないよ。どう考えてもおかしいよ、あのコが忘れちゃうなんて。
あそここそお母さん役の渡辺えり子の出番だったと思うのだ。女のコはお母さんに頼む。それをすっかりお母さんには忘れてしまい…という展開。
渡辺えり子だったら説得力十分。あの人だったら忘れて不思議でないというね。
そうなれば、家族もまき込んでもっと盛り上がったのになァ…と思うのだ。
あれほどの映画だけに、オレはくやしいのだな。

2004.10.6(水)

新東宝の福原氏とちょっと会い話をする。来年の春先、今年やったような2本撮りをまたしてみませんかねという話になる。サスペンスものでどうですか?と言われ、オレは即、やるやるだよ。ホント、1本でも多く撮りたいのだ。
シネキャビンの中村さん、牧村耕次らと山本竜二の店「竜盛屋」で飲む。
最後はゴールデン街。清美の「銀河系」で朝まで飲む。

2004.10.7(木)

やっとスパイク・リーの『25時』をビデオで見る。ぶったまげた。なんてすげえ映画コレ。オレ、スパイク・リーって今までそんなに好きじゃなかったんだよね。でもこの『25時』にはぶっ飛んだ。最近一番いいなあと思ってるエドワード・ノートンがすごい!ここではまさに入魂の演技! 泣けた!
今年は一にラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』、二にクリント・イーストウッドの『ミスティック・リバー』と思っていたが、いきなり『25時』が割り込んできたね。
とにかく必見の傑作だ。見るべし。

2004.10.8(金)

荻窪グッドマンでの桜井さんのマンスリー・ライブ。桜井さんのライブでは、とにかくしゃべりが面白いです。一度見て下さいだね。今年の下半期はCDの制作に入って、ライブをへらしているのがさびしいね。CD、楽しみにしてます。

2004.10.11(月)

五代暁子と打ち合わせ。次回オーピーの2本撮りの企画会議だ。五代が以前に官能雑誌に書いたSM小説を読まされ、その話を一応のベースにしようということになる。これだと、前後編の構成が取りやすいのだ。

2004.10.12(火)

渋東シネタワーでJホラーシアター2本立て見る。『感染』。しようもない映画。いったい何がやりたいの? 話はつまらんわ、恐くないわでね。半分以上寝てしまったけどね。その点、もう一本の『予言』は見応えあった。つのだじろうのマンガ『恐怖新聞』を基にしてるというが、まずその原作がやはりいいんだろうね。ホラーというより一人の男の地獄めぐりの物語。ラストは愛と感動であった。三上博史はうまくて当たり前だが、酒井法子のガンバリが目についた。ガンバリついでにヌードのひとつも披露してくれれば、さらに言うことなかったのになと思うくらいよかった。

2004.10.13(水)

『愛のラビリンス』試写。キャメラマンの志賀ちゃんが見てなかったので、再度試写をしたってわけね。オレと志賀ちゃんと助手さんだけというゴージャスな試写。

新宿で映画を三本ハシゴ。
東急で『ツイステッド』。アシュレイ・ジャドは好きな女優だし、「1度だけ関係を持った男たちが次々と殺されていく」という女刑事の話というのも十分面白そうなのだが、だめね、これ。この手のダメな映画のパターンなのだが、真犯人の犯行の動機というのがもうめちゃくちゃというか、話にも何にもなっていないということね。さんざん引っぱっといてコレはないよ、と怒りにも似た気分になるもんだ。
ピカデリーで『バイオハザードU』。前作もそうだったが、オレやはりこの手のものには付いていけないというか、ともかくつまらない。ムリしないで、半分くらいは眠ってしまったよ。
ミラノ座で『LOVERS』。この映画が一番マトモだった。とてつもない踊りのシーンといい、あの手この手の殺陣シーンといい、撮影のすばらしさといい、十二分に楽しめる映画ではあった。でもこの映画、設定の部分に大きなミスがあるのだ。大づめになるにつれ、オヤ?と思ってくるのだが、やはりこれはすごいミスであった。映画全体が成立しないくらいの大きなミスなのだが、誰も言わないよね。フシギだ。

2004.10.16(土)

五代親子とサマーランドで遊ぶ。

2004.10.18(月)

新宿、タイニイアリスで銀治出演の『三馬鹿時代』見る。みんなガンバッてるんだけど、ホンがなあ…。芝居はなんのかんの言っても、やはり、ホンだよ。
劇場で会ったキャビンの中村さん、役者の石川ユーヤたちと飲みに行く。
最後はユーヤの店、ゴールデン街「オレンジ王子」で朝まで飲む。国映のお姉さんに久しぶりに会ったりして楽しかった。

2004.10.21(木)

新宿プラザで『アイ・ロボット』見る。最近のハリウッド大作見ると、ほとんどいつも思うこと…なんて壮大な無駄遣いであることか!なんと空しい映画であることか!…と思うのみ。

2004.10.25(月)

新宿ピカデリーで『トゥー・ブラザーズ』見る。その点、こちらは『アイ・ロボット』よりはるかにまし。この、たくましく、かわいくて、いとおしいトラたちが、いつ悲惨な目に会うかと思うだけで、ハラハラドキドキ、画面から目がはなせない。ワイド・スクリーンいっぱいに写るトラの迫力といい、もうつかみOKってヤツね。でもね、全体的に今ひとつなんだな。もの足りなさが残るのだ。オレはこの映画、ディズニーとピクサーのアニメで見たかったね。きっと感動に打ちふるえて泣けただろうなあ…。
今TVでは、23日の新潟での地震の惨状を24時間リアルタイムで中継し続けている。オレもヒマだからけっこう見たりしてるのだが、ホント、目をおおうばかりの惨状だよね。その中でも、あの土砂の中にいく日も閉じ込められていた2才の男のコの救出劇には、魂がふるえるほど感動した。何度も同じ映像がくり返していたが、見るたびに泣けてね…。ホントよかった。奇跡の男のコ!
またイラクでの日本人の男性が現地の過激派によって拉致された事件といい、ホント世界には事件と悲惨が渦巻いている。小泉さんも大変だなあと、思わず同情しちゃったりする今日このごろなのだ。