2004.8.4(水)

下高井戸シネマで(最近ここばっかりにいってるな)『コールドマウンテン』、『みんなのうた』見る。『コールド』はみなさんよくごぞんじの映画ね。『みんなの』は知らない人多いと思うけど、アメリカのフォークソングの世界を舞台にした擬似ドキュメントの映画ね。両作ともにそれなりに評判の映画だったけど、オレは両方とも今ひとつ今ふたつって感じで乗り切れなかったね。はっきり言ってちっとも面白いと思えないのだ。

2004.8.6(金)

高円寺稲生座でひとり芝居を見る(稲生座、なつかしいね。イナオ座じゃないよ。イナオイ座と読む。オレもかってここで『こんな、ふたり』『薄毛の色情女』の2作をロケしたことある)。
劇団ソウルリンチ代表の世志男クンの企画によるひとり芝居2本立て。
まずは、とある女の人の自作自演による一人芝居であったが、これは論外的にひとがった。この日、見に行った自分をうらむくらいにどうしようもない舞台でした。
そして、世志男クン主演による一人芝居が始まりました…。これもつまらなかったらどうしよう…ドキドキ…って感じでしたが…。
なんと! こちらは全然すばらしかったのだった!
話は、始まってすぐ分かったのだが、加藤健一がひところ(今は?…知らない)オハコにしていた『審判』という一人芝居をベースにしているというか、ま、元ネタにしている芝居だった。内容は一言で言うと、戦争中、人肉食いをした一人の兵士の一人語り、つまり「審判」される姿を描いたもの。
世志男クンがすばらしかった。
まずは、一時間演じ切ったその精神力と体力がすばらしい。
つぎに、彼は一人で自分以外の4人の兵士のことを語るのだが、その4人の姿がその語りの中で浮かび上がってくるというすぐれて演劇的な瞬間を現出せしめたという点においてだ。
そしてこの芝居を構成演出した市川はるひさんという女の人がすごい。何がすごいって劇団の主宰者である世志男クンに主宰者ヅラさせない演技をさせたという点においてこの人はすごい(オレもそうだったけど、どうしても劇団の主宰者って、オレがトップだって顔しがちなんだよね。だからこそよけいにこの市川さんって女の人すごいと思うのだよ)。
世志男クン、および劇団ソウルリンチには以後要注目だね。
芝居のあとは、見に来ていた水原香菜恵と、高円寺南口のバンブーハウスへ行く(佐野和宏が毎週水曜だけマスターをやってる店だが、最近は週に3日くらい水原もやってるらしい。水原ファンは行くべし)。
途中から、世志男クン、市川さんもやってきて、結局3時までバンブーで飲む。
それからは久しぶりに南口の宮川で一人5時まで飲む。

2004.8.7(土)

脚本の五代、そして、次のオレのヤツの主演してくれる藤崎クンと新宿で打ち合わせ。
次回作は2年ぶりのホモ映画だ。9月5日クランクイン。仮題は『ぼくとダディのできごと』。6年前にENKで『ぼくとダディのこと』というのを撮ったが(本物のゲイの間では、オレのゲイ映画10本近くある中で、今だに一番評判がいい)、今回はその別バージョン。内容的には、一言で言うと、『晩春』のゲイ版。

2004.8.8(日)

銀座博品館で劇団め組公演『鞍馬天狗』見る。
今回は失敗作。この劇団の特長を一言で言うと、スターシステムとでも言ったシステムであって、いつもは2人の花形俳優のどちらかが、芝居の出来不出来にかかわらず、それなりの魅力を発散してきたものだが、今回はその2人がまったく精彩がない。もうこうなるとお手上げって感じでね…。
オレが初めて見ため組の芝居『大江戸喧嘩囃子』の世界に一度もどって欲しいね。あのアバンギャルドな飛びっきりのエンタテインメントの世界へ。
芝居のあとは、いよいよ、ついに、東劇の『ELVIS ON STAGE』に行く。
33年ぶりね。33年前は前売券を20枚くらい買って丸の内ピカデリーに通ったもんだった。
今回はその時のヤツとはかなり違って「NEW EDITION」版ね。でも時は同じく、1970年の夏のラスベガスね。エルヴィス・プレスリー、まさに絶好調の夏だった…。
もういいや。オレはファンだしマニアだし、オレが何言ったって、所せんは…だよ。
だから一言だけ言いたい。だまされたと思って東劇で見て欲しい。あっけにとられることを保証する。オレは15で好きになって以来41年間もあっけにとられ続けているのだ。あっけにとられ、ビックリし、感動することを保証する。もし、だまされたと思ったら、オレが1800円払うから。まじ、ホント。オレ、払うよ。だからみんなに見て欲しい。
エルヴィス・プレスリー。なんて、とんでもない人なんだ…。

2004.8.9(月)

深町組の初号試写をのぞく。本多菊次朗が老け役で頑張ってた。佐々木基子、あいかわらず達者。笑っちゃうくらいうまいね。

2004.8.13(金)

恒例のシネキャビンの納涼会。

2004.8.14(土)

荻窪のライブハウス「グッドマン」で桜井さんのマンスリー・ライブ。「グッドマン」には久しぶりに行く。桜井さんはいいんだけど、他の出演者を聞いてるのがいつもながらちとつらいね。
桜井さんとは、明日15日のPRIDEグランプリ決勝戦の話題で盛り上がる。オレの予想は一貫してヒョードルの優勝ね。さて、どうなるか。

2004.8.15(日)

PRIDE・GP決勝。意外な結末にクチ、アングリ。でも、仕方ない。ガチンコだとこれもありうるか。

2004.8.16(月)

次回作『ぼくとダディのできごと』決定稿上がる。印刷へ。
新宿プラザで『スパイダーマン2』。いつからか分からないが(ひょっとして『タイタニック』あたりかな)、最近はこの手のハリウッドの娯楽大作まったく楽しめなくなってしまったが、今回もまさにそう。まったくつまらなかった。いったい何なんだろう。この才能とお金の浪費は。
実は今日は、エルヴィスの28回目の命日。生きてれば69歳。

2004.8.17(火)

原宿ラブ・ミー・テンダー。命日を境に、エルヴィスの新作か一気に出たのだ。
DVDが3タイトル。
まずは『ディフィニティヴ・エルヴィス』。8枚組ボックスのDVD。内容は、関係者や友人たちによる証言を中心に、エルヴィスの人間性をリアルに浮かび上がらせようというもの。ま、こういうものはオレのようなマニア以外は購入しないだろうね。
他の2タイトルが目玉。ぜひ見て欲しいというヤツね。
『'68カムバック・スペシャル完全版』。68年に8年ぶりにTV出演をはたしたエルヴィスのTVショーの完全版。3枚組。当時全米で70数パーセントの視聴率を得たという伝説のTVショーの完全版だ。マジ、スゴイ。
『アロハ・フロム・ハワイ・完全版』。2枚組。73年の全世界の15億人が見たという衛星放送による全世界同時中継のコンサートの完全版。
以上2タイトル、やっと出た!すごいのが出た!という感じね。オレも公式版、海賊版合わせてほぼ完全版は持っていたが、今回はホントの完全版。さっきも言ったけど、だまされたと思って見て欲しい。ホント、すごいから。
その他、CDの新しいのが5タイトル。それと新作のTシャツなど含めて、しめて8万円の買い物となったのだった。
オレも久々にELVIS魂、炸裂だね。

2004.8.18(水)

次回ホモ映画の印刷台本上がる。16時からシネキャビンにて演出部、役者打ち合わせ。終了後は例によって飲み会へ突入。例によって朝まで。

2004.8.19(木)

17時、役者打ち合わせ。
18時からロケハン。東中野のスタジオ(古くからのピンクファンは知ってるはずの、ジミー土田のやってるスタジオ)、そして高円寺のバー(ここもジミーの盟友・渡辺一平のやってるバー)と見て回る。そのあいまには音楽の大場一魅と会ったりして、けっこう忙しい感じ。
結局、朝まで飲む。