2003.9.22(月)

阿佐ヶ谷アルス・ノーヴァで遊劇社公演『忘れな草をあなたに』見る。
今回はよかった。オレの好きな俳優・藤一平の久しぶりの主演ということもあり、実に見応えのある1時間20分であった。
老人のボケという非常に日常的かつ今日的な問題を、アングラ演劇特有の非日常的なスタイルで見せきるという「水と油のごった煮」的状況も、さすが作・演出の鳳いく太、年季の入った手腕で、緊張感の中にもホッと笑えるシーンなどおりまぜつつ淀みなく展開させていく。
しかし、何かが足りない。ここには、「起承転結」の「結」の部分がスポンと抜け落ちているかのようなのだ。もちろん、結論のでない問題をテーマにしているのは分かるのだが、やはり演劇的な「結」は欲しいと思うのだ。強烈な読後感みたいなヤツがね。やはりそれじゃないと、演劇としてはもの足りない気分がしてしまうのだ。
芝居のあとは、まるきやから始まって、朝まで阿佐ヶ谷を飲み歩く。

2003.9.24(水)

『痴漢電車 誘惑のよがり声』ダビング。
今回の作品は、一魅の音楽によりかかる部分がいつにも増して多い。ミュージカルシーンの歌曲といい、アクションシーンの音楽といいね。それを一魅は今回もみごとにやりきってくれた。すばらしいです。大場一魅は。
音の悪い、聞こえないピンク館で見られるという不幸を今回も嘆くしかないのです。

2003.9.30(火)

初号試写。面白いです、今回も。ミュージカルシーンあり、アクションシーンあり、シリアスな芝居場あり、そして、サービスカット満載のHシーンの数々…。まさにピンク・エンタテインメントの王道をいくかのような作品になりました。めでたしめでたしです。

2003.10.2(木)

映倫試写。さいわい会社には好評でした。でも、その分映倫にはこってりしぼられました。
オレの次回作が、11月下旬クランクインと決定しました。また「明るいもの」を、「コメディ」をという注文でした。オーピーでは、ここ2年ほどは暗くてシリアスなものばかりやっていたので、その反動ですね。
日劇で『シモーヌ』を見ました。やっぱりアル・パチーノがステキでしたね。今回は売れない映画監督という設定で、そのへんもぼくらとしては面白く見れた部分です。話も面白かったし、CGの使われ方も、こういうふうに使うんだったら全然いいじゃんという感じで好感持てましたね。

2003.10.3(金)

下北沢・「劇」小劇場で劇団LRPの舞台『東京complex』を見ました。
主宰の谷津かおり嬢、がんばっているのは分かるんだけど、最近はどんどんピントがはずれていってるという感じがします。ストーリー的にも人物造形的にも表面をなぞってるだけというか、形だけ作って魂が入っていないというか、もの足りない、くい足りない、入り込めない、共感出来ない…という感じなんです。つまり、リアルなものがここにはないのです。
がんばっているだけに、何とかして欲しいものです。

2003.10.4(土)

セメントマッチで五代暁子と打ち合わせ。
次回オーピー作品の企画の立ち上げと、来春やる予定の新東宝作品に関するアウトラインを決めるって寸法です。

2003.10.6(月)

新宿東急で『閉ざされた森』を見る。面白いと評判の映画でしたが、オレにはちょっと…という感じでした。つまり、人物の名前が難しい外国の小説を読んでいるみたいで、なかなか登場人物の名前と顔をおぼえられないわけです。そうなるとストーリーの中に入っていけないし、おいてけぼりをくらうわけですよ。こういう映画はビデオで巻きもどししつつ確認しつつ見た方が面白いんでしょうね。

2003.10.8(水)

女優の望月梨央と一緒に、上野オークラに自作の『不倫妻の淫らな午後』を見に行く。
自作を劇場で見るのは実に久しぶりのこでした。やはりスクリーンで見るのはいいもんです。上野オークラはスクリーンはキレイですから。しかし音となると、録音部さんが凝って入れた微妙な音とかはほとんど聞き取れず、やはり悲しい気持になってしまうのです。
新宿タイニイアリスの「アリス・フェスティバル」。インドの劇団の『愛・よそよそしい対話』見る。2人の男女の踊りもとり混ぜた会話劇。セリフは全部英語。だからよく分かりませんでした。芝居としては、一種珍味って感じですかね。

2003.10.10(金)

渋谷シネ・アミューズで『蛇イチゴ』見る。
これは面白かったです。なにより辛気臭くないのがいいです。リストラ、老人問題、借金問題、殺人(?)、恋愛…と、今日的なシリアスな題材を描きながら、重くもたれないのがいいです。娯楽映画として成立させているのがいいです。いくらでも暗く洒落臭く出来た映画を、そうしなかった作者(女性です)にオレは共感するのです。久々に面白い日本映画を見たとオレは思いました。

2003.10.13(月)

次回オーピーのプロットが上がりました。
お互いにあこがれていた巨乳ちゃんと貧乳ちゃんが、超常現象に見まわれ入れ替わってしまいます。さてどうなるか…と、いつか見た映画のようではありますが、それはそれ、オレ流のものにするつもりです。ご期待下さい。