2002.12.18(水)
カゼで2日ほど寝込んでいたが、もうこれ以上おくらせるのはやばいので、ムリして起き上がり、森角と打ち合わせ。もうこれを最後の打ち合わせにしなくては…というところまで来てるんだよね。つまり、最後の直しね。
4、5時間話し込み、明日、決定稿をFAXしてねと別れる。
どこにも寄らず真っすぐ家に帰る。
2002.12.19(木)
森角からFAXくる。最後の検討。若干の直しはあるものの、やっと出来た!という感じ。電話で最後のツメをして、ゴーサイン出す。
初稿から2ヶ月。やっと決定稿までたどり着いた。とりあえず一息つけたということか。(仮題『Are You Lonesome Tonight?』)
2002.12.20(金)〜21(土)
五代暁子親子と恒例の温泉ツアー。それにしても、五代とは、別れて6〜7年になるが、あいかわらず年中旅行してるよなァ。
オレとしては、本当は行きたくなかった。カゼはまだ直ってないし、森角の台本入稿のこともある。しかし、キャンセルしても、お金は取られるし、ここはもう森角と助監督の小川に後はたくして旅行に来たってわけね。
しかし、こういう状況だと、旅行もあんまり楽しくないよね(森角脚本の新東宝、クランクイン1月下旬予定だったのだが、それがまた急に1月10日インにくり上がったので内心あせってるということだ)。
2002.12.22(日)
森角脚本の印刷台本上がる。さっそく、森角、助監督の小川と会い今後の方針を打ち合わせ。
劇団AUNの公演『恋の骨折り損』を見る。高円寺・明石スタジオ。本多菊次朗が2年前からレギュラー出演している劇団だ。体はキツイし、夜はほぼ同時刻に桜井さんのライブが吉祥寺Be−Pointであるので行くのやるようかと思っていたのだったが、マチネを見た五代からメールがあり、「なかなか見応えあった。本多くんもがんばってるから見に行ってやって」とあったので、それでは行くかとなったわけ。それに、桜井さんのBe−Pointでの出番、トリで9時頃というので、これはうまくいけば両方見れるなとなり、行くことを決心したのだった。
五代の言うとおりなかなかのものだった。よくきたえられた役者たちが、シェイクスピアの例の間違いの喜劇をスピード感豊かにハイテンションで演じ切るのだ。気持ちよかった。本多さんも以前のAUNの公演と比べると、ずっと存在感が出てきてる。でもなあ、全体として何か不満。なにかもの足りない。そうなのだ。華がないのだ。ハデな俳優、花形役者の不在こそが、求心力を産まないのだ。だから、また次も行こうという気にならないのだ(ま、本多さん出てれば、また行くだろうけどね)。
吉祥寺、Be−Point、桜井明弘ライブ。ギリギリ桜井さんの出には間に合った。桜井さん、相変わらず好調だ。いい意味でのマイペースで、ひょうひょうと桜井ワールドを見せ聞かせてくれる。それにまた、相方のベース・ギタリスト、山下さんの音が実にすばらしい。あわただしいなか、わざわざ行ったカイがあるってものだ。
ライブ後の打ち上げもいつもながら楽しく、オレは(ホンも上がったし)実にいい気持ちになり、最終電車で帰途についたのだった。
2002.12.23(月)
銀座で「清水真理人形展」見る。
清水真理という人形師の名前は、1ヶ月前に、オレの友人伊井くんの飲み会の時知ったのだが、その時、手に入れた「Wonder doll」という文庫サイズの「postcard本」の人形たちの写真にすっかり魅入られたオレは、その作者の清水真理にも会えるであろうこの日の個展をひそかに楽しみにしていたのだった。
実際に見た清水真理さんは、こういう時の形容によく使われる「ああいうものを作る人にはとても見えない…」という、まさにそういう、あのようにグロテスクでありながに美しい、異形の人形を作る人にはとても思えない小柄でキャシャで、そそとした、とてもおとなしげでありながら、とてもキサクによくしゃべる美人であった(彼女の人形については、「Wonder doll」という文庫本を買って見て下さい。本屋さんにあるそうです)。
人形展は初日だったので、終了後は初日のパーティ、そして飲み会となだれ込んだ。
飲み会には、清水真理さんを中心に色んな人が30人も集まった。オレの友人の伊井くんのメンバーからは、俳優の小倉一郎さん、女優の丘みどりさん、それと、あの天才詩人パフォーマーの2人組・母レモンの水子と花女さん……などなど、清水さんのメンバーは、学生時代の友人たちが中心(彼女、多摩美の映像科出身ということで、同期の友人がたくさん来ていて、中には、今年サンダンスで賞を取って、来年サンダンス資本でデビューするという女流監督もいた)。
オレの目あては、母レモンの2人。やっと2人と楽しく話ができた。
実はオレ、シネキャビンの忘年会の打ち合わせで、8時から9時くらいまでにはキャビンに行かなくてはいけなかったのだが、母レモンや他の人たちとの話が楽しくてなかなか腰を上げることが出来ず、やっと11時頃になってムリやりみなさんとお別れしたのだった。
キャビンになんとかたどり着くと、そこでも宴たけなわ。12時半くらいには帰るつもりでたのだが、ついに帰れなくなる。実は明日ロケハンで、少しでも体調を整えておきたかったんだけどね。
銀座で6時から飲み始めているし、カゼで体調悪いしで、午前の4時過ぎだと思うけど、いつの間にか飲みながら眠ってしまっていた。ハッと目が覚めたら朝の6時半頃。ヤバイ!となって、大あわてで家に帰る。
ロケハンは午後の1時から。8時から11時までベッドで眠れた。
2002.12.24(火)
酒が全然抜けなくてつらい体をむりやり起こして、午後1時新宿集合。
クランクインの2週間以上も前にロケハンするなんてめったにないことだが、暮れと正月があるので、仕方なく早めにしたというわけ。しかも、もうみんなでそろう時間もあんまり取れないので今日一日で全部見てしまおうという考え。ま、今回はそんなに色々と見て回るとこがないので、そう出来たんだけどね。
まずは、新東宝近辺、新宿中央公園、あけぼの橋近辺のオープンの場所を見て回る。
次に、井荻のオフィス・セット。今回は社長室というのがメインで、その社長室のあるスタジオのロケハンね。ここは以前も何度か使ったことあるのだが、2〜3年前改装して、かなり様変わりしていた。社長室、オフィスとじっくり見て回る。本当はもう一度見たいところなのだが、今日しか見れないのが痛い。
夜6時。新宿に戻ってナイト・オープンの場所を見て回る。
8時、新東宝。今回は新東宝も多いのだ。
10時終了。ロケハン終わるやいなや、一気に調子悪くなる。昨日今日とムリしたのがたたった。カゼがまたぶり返した予感。オレとしては珍しく、みんなと別れ、真っすぐ帰宅。
2002.12.25(水)
最悪。また熱が上がる。今日はこのまま一日寝ていたい気分。しかし今日は五代宅でクリスマス・パーティ。五代の息子・円へのプレゼントもあるし、パーティに来る五代の友人のシングルマザーのSさん、そして彼女の息子・空くんへのプレゼントもある。そして、何より会いたい、みんなに。そんなわけでムリして出かける。
夜の12時頃お開きとなり、Sさん親子は帰った。オレも帰りたかったが、体が動かない。仕方なく、五代宅に泊まる。
サイテーのクリスマスだ。
2002.12.26(木)
夜、助監督の小川と打ち合わせ。終了後は真っすぐ帰る。少しでも眠りたい。
2002.12.27(金)
キネマ工房の忘年会。調子悪いけど、家でじっとしてるのもシャクなので出かける。それなりに楽しかった。
2002.12.29(土)
午後3時、シネキャビンにて新東宝作品『Are You Lonesome Tonight?』の役者打ち合わせ。5時半までやったが、1回、本読みをするのでせいいっぱいだった。
ちなみにキャスティングは、まいまちこ、柏木舞(以上2人は、前回のオーピー作品『熱い肉体、濡れた一夜』でデビュー。でも公開順では、今回のヤツの方が早いので、その意味では今回がデビュー作となる)、酒井あずさ(オレのプロデュース作品『OL発情 奪う!』に出てもらった。最近売れてきてるみたいね)の女優陣に、本多菊次朗(これでオレの作品は4本連続となる)、松田信行(前作に続いて2本目)、松木良方の男優陣だ。
夜6時からシネキャビン忘年会。初めての試みとして、ロケセットを借りてやったが、これがなかなか居ごこちよくてね、オレなんか結局、翌朝の8時までいてしまったよ。それはともかくかなりの盛況ぶりで、のべ80人以上来たらしい。ま、大成功といっていいだろう。
2002.12.31(火)
劇団レクラム舎の公演『利一郎きまぐれ日記』を見に行く。松木さんが出てたので、ま、ギリ半分なんだけどね。今日が最終日で午後2時の回が最終回ね。
芝居じたいは、ま、どうということなかったけど、速水典子さんがよかったね。そう、あの『ラブホテル』の主演女優の人ね。舞台初出演らしいが、なんともいえない存在感が漂っていてね、ちょっと圧倒された。ステキな異物感というかね、他の俳優たちとは、フツーの人たちとは、あきらかに違うヒトが、そこに、いるのだ。一言で言うと、華やかなのだ。やはり、ああいうヒトの前では、フツーの芝居屋は吹っ飛んじゃうよな。逆に言えば、最近の小劇場って、理屈抜きに華やかな存在の俳優っていないよなァ…。やはり、役者は、華だよ。
あとはドトウの大みそかの飲み会へとなだれ込み、例年のごとく妙法寺への初詣などはさみつつ、元日の朝8時頃まで飲んでいたのだった。ま、年中朝まで飲んでいるので、特別変わったことをしてるわけではないのだが、大みそかというのははり独特のものがあって、ゆく年くる年を思いやり、それなりの感慨があるってものだ。
新東宝作品の公開タイトルも決まる。
『ノーパン秘書 悶絶社長室』だ。森角の初脚本のものだし、ぜひとも面白いものにしたいと思う。
2003.1.1(水)〜2(木)
酒を飲みながらケーブルTVで映画を見続ける。
2002.1.3(金)〜4(土)
酒を飲みながらケーブルTVで映画。合間をぬってコンテ始める。
2002.1.5(日)
役者・打ち合わせ。みなさんなかなか快調。ベスト・キャストだと思う。まいまちこ、柏木舞の巨乳2人娘に、色気ムンムンの酒井あずさ。最近のりのりの本多菊次朗、森角劇団の松田信行、そして、元・鳥やすマスターにしてシェイクスピア俳優の松木良方(残念ながら鳥やすは諸事情により去年の11月いっぱいで店閉まいした)。楽しみだ。
打ち合わせ後は、いつもはみんなと飲みに行くというパターンだが、夜の10時過ぎてたし、女優3人とも恐ろしく遠い所に住んでいるのでこれにて解散。
とりあえず一息ついて、飲みたいオレは、知り合いを誘い飲みに行き、最後は高円寺の角屋で松木さんを呼び出し朝まで飲んでいたのだった。
2002.1.10(金)〜12(日)
新東宝作品『ノーパン秘書 悶絶社長室』撮影。