2002.10.22(火)
ビデオで『ピアニスト』見る。異様にゆがんでよじれた精神のあり方をめぐる物語。ベルイマンの『沈黙』を思い出す。いやな映画だ。この監督のものとして『ファニーゲーム』という映画があり、それも異様な映画であったが、どこか突き抜けた妙な明るさもあり、オレはそちらの方が好きだ。
2002.10.23(水)
ラピュタ阿佐谷で映画をハシゴ。
『抵抗』。圧倒的にすごい映画だ。
『真夏の夜のジャズ』。大好きなマヘリャ・ジャクソンのライブシーンを初めて見れて感激した。
映画を見る前後に、阿佐ヶ谷の街をブラブラとロケハン。次回オーピー作品は劇の舞台となる街の雰囲気が非常に重要。阿佐ヶ谷いいなあ。
映画、ロケハンのあとは、阿佐ヶ谷のジャズ・バーStardustへ。ここも今回使わせてもらうつもり。
最後は鳥やすで朝まで。
2002.10.25(木)
セメントマッチに助監督の小川と、俳優の兵頭未来洋、そしてヒロイン役のAV女優・柏木舞が集合。初稿の本読み。柏木舞は舌っ足らずで子供ぽいのが気になるが、色がついていない分、とてもスナオな感じで期待持てる。少しというか、かなりホッとする。兵頭は相変わらず活舌が悪い。それにセリフの歌いグセと、セリフのいい初めに必ずいいよどむクセが非常に目につく。前作の『恋する男たち』の時のアフレコで、さんざん言っておいたのだが全然直ってない。少しでもよくなっているのを期待していたので、ちょっとガッカリ。
俳優の練習のあとは、小川と打ち合わせ。
そのあとは、五代とホンの直し。
2002.10.26(金)
下北沢駅前劇場で劇団ONEOR8の公演『ゴールデンアワー』を見る。面白かった。この劇団見るのこれで5、6回目と思うが、今までで一番いいんじゃないかな。客も前回くらいから千人の大台に乗ったというし、いよいよこの集団も来たなって感じね。
そのあとは一緒に見に行った五代と居酒屋に入って、ホンの直しの続きを。
五代と別れたあとは、新宿ピカデリーで『Dolls』見る。
それから呑み屋のハシゴ。まずは清美の店「銀河系」、その後は高円寺。「じじばば」「鳥やす」と呑み歩く。
2002.10.29(土)
新宿ピカデリーで『OUT』見る。この監督のものってハズレがないと思っていたのでちょっとガッカリ。意外と期待はずれであった。
2002.10.31(木)
ラビュタ阿佐谷でゴダールの『はなればなれに』やっと見る。ここにも永遠に新しいゴダールがいた。それにしても、アンナ・カリーナの何という美しさ!
ジャズ・バー「Stardust」。阿佐ヶ谷、高円寺とロケハン。高円寺「宮川」そして「鳥やす」と朝まで呑み歩く。
2002.11.1(金)
オーピー作品『Stardust〜恋の迷路』の決定稿上がる。助監督の小川も呼んで五代宅で1日遅れのハロウィンと台本完成のパーティ。
夜の11時になり、さて帰るかと思ったら、シネキャビンの中村さんからTEL。東中野のリズにいるから来いとのお誘い(故・小林悟監督のお店ね)。仕方がないので行きました。連日呑んでるし、明日もその予定なので、今日は帰るつもりだった。久々のリズ。相変わらずママは美人。リズで3時まで。そして「鳥やす」に移って、今日も朝まで呑んでしまったのだった。
2002.11.2(土)
新東宝で森角、福原氏と森角の初稿の直しのミーティング。スケジュールも12月21日クランクインと決める。
新宿プラザで『ロード・トゥ・パーディション』見る。
はっきり言って傑作。最近のアメリカ映画でのひとつの達成だと思う。サム・メンデスの演出が何よりすごいのは、必要なもの以外は撮らない、写さないという姿勢につらぬかれていることだ。それでいて、大エンタテインメント作品に仕上げてしまっているその力量のすごさ。しばらくは語っていたいすばらしいシーンがいくつもある。そして、ラストの感動。アメリカ映画の、あの長々としたクレジット・タイトルが珍しくありがたく感じた。オレ、ボロ泣きだったもん。こんな経験、クリント・イーストウッドの『許されざる者』以来かな?
そして、トム・ハンクスがいい。今まではあまり好きな俳優ではなかったが、今回はすばらしい。ふところ深いねェ、あちらの俳優は…(ジュード・ロウもよかった!)。
ま、このへんにしとこう。キリがなくなる。
ひとつ思ったのは、最近、『サイン』『インソムニア』そして『ロード・トゥ・パーディション』と良質なアメリカ映画を続けて見て思ったのだが、アメリカ映画がまたひとつ変わりつつあるという感じ、というか、予感というか、そういう感覚を感じたということ。
ひとことで言うと、再び人間に向かい始めたというかね、そういう感じ。
ま、相変わらず、エンタテインメントに名を借りた腑抜け映画は全盛なので、どうなることかとは思うがね。
映画のあとは、工藤翔子の店「寺小屋」へ久しぶりに行く。2周年記念ということで、翔子から連絡をもらったので顔を出したというわけ。珍しく、瀬々くんと会う。
そして清美の「寺小屋」。高円寺「鳥やす」。「鳥やす」向かいの「みどり」と流れ、「みどり」では、麻由子さんとも久々に会い、カラオケで燃える。最後は駅前の「角屋」という具合に朝の8時頃までしどと呑んでしまったのだった。
2002.11.3(日)
オーピー作品『Stardust〜恋の迷路〜』の印刷台本上がる。夕方4時、シネキャビン集合。主役の2人以外にも、これる人には来てもらい、5、6人で本読み。ヒロイン役の柏木舞、ますますよくなってきた。まっ白な素のよさに加え感情が出て来ているのだ。ト書きで「泣く」とあると、彼女、自然に涙を流しているのだ。このコ、ひょっとした、拾いものかもしれない。それに比べて兵頭クン、全然クセが直ってない。オレ、ちょっとガク然。あれほどうるさく言ってるのにね。またも同じことを言わざるをえない。何度も同じこと言わせるなよ。演劇学校じゃないんだからね。兵頭クン、キャラはいいとこあるんだけどな。だから、続けて3回も出てもらってねわけだしね。ま、お互いにガンバロウって感じだね。
本読みの後は、今回のキャメラマンの飯岡ちゃん、助監督の小川と打ち合わせ。
打ち合わせ後は3人で呑みに行くが、今日こそはという感じで、電車のある時間で帰る。明日は、一人の女優さんと面接があるのだ。
2002.11.4(月)
まいまちこさんという女優と面接。新東宝の福原氏の紹介。2、3日前、新東宝に行った時、こういう人がいますよと紹介されたってわけね。オレはその宣材見て、12月に撮る予定の新東宝作品のヒロインにどうかなと思ったが、その前に今回のオーピーでやっともらうのもいいかなと思い、今日会ったってわけ。
まいまちこ。文学座の研究所出身。TV、映画にも色々と出ているいわゆる女優さん。もちろん、まだピンクには出たことない。
予想通り、この人よかった。久々に見る女優っぽい雰囲気を漂わせた人で、しかも巨乳。これはもうやってもらうしかないということで、さっそく、今回のオーピーのちょっとした役と、次回の新東宝の主演をお願いした。
オーピーの方は小さい役で、ちょっと申し訳ないという感じなのだが、とりあえずオレも彼女の適性というか、キャラを見たいし、ま、最初のとっかかりとしては、いいかな、ガマンしてね、という感じかな。
これで、女優陣がそろった。
ヒロイン役は、AVギャルの柏木舞。そして、まいまちこ、北条湖都ね。北条は『デリヘル嬢〜』に続いて2回目の登場だけど、あとの2人はピンク初登場というゴーカ版になってきた。みんな巨乳だしね(最低で、北条のDカップ)、これ、おいしいよ。
面接後は、中野ひかり座で芝居見物。山頭火をテーマにした『ふるふる』。ピンクにたまに顔を出す(TVCMにもたまに顔を出すけど)、そしてオレの作品にも出てもらったことのある、劇団「発見の会」の大ベテラン、飯田孝男さんが山頭火役で主演。というか、山頭火とその奥さんの2人芝居で、ほとんど出づっぱりの役であった。2時間半も!
飯田さんは相変わらずキャラが立ってて面白かった。でもオレ、この芝居ダメ。はっきり言って全然面白くなかったのだ。
芝居のあとは、「鳥やす」。オレの尊敬するというか、敬愛する俳優の吉田鋼太郎に久々に会う。結局、朝まで呑んでしまう。
明日からは2、3日家にこもるぞ。
2002.11.5(火)〜7(木)
家で終日コンテ……のはずだったが、CSでの映画やレンタルビデオばかり見続けてしまい、コンテ進まず。ま、いつものことだけどね。