2002.5.1(水)

次回オーピー作品『シティ・ドール』決定稿上がる。

2002.5.2(木)

決定稿を印刷所へ入稿。
やることのなくなったオレは、よし、天気もいいし(久しぶりに快晴、初夏の陽気)、ロケハンでもやるかと、神田川を、新宿から方南町まで歩くという大ロケハンを敢行。
劇中、最も重要な「川ぞいの道」というのを捜すのが大テーマ。
ここだ、あった!−と言える場所に遭遇。それにゲリラ撮影出来そうなファースト・フード店も発見!
2つの大いなる成果を抱いて、そう、ここはやはりうまいビールが呑みたいとこ。
最終地が中野坂上だったので、そういえば小林監督の店「リズ」が近くだったと思い、初めて一人で顔を出す。冷えたビールとホッピー、そしてうまいマグロも食べれて実にいい気分になり帰路につく。
久々に歩いてロケハンしていい汗かいて成果もあって…そしてうまい酒。なんていい一日だったことか。そういえばオレって昔から一人で歩いて(自転車で)ロケハンするのがけっこう好きだったよなと思い出す。3年前、国分寺に戻ってからはほとんどしなくなっていたのだ。
そうそう、東中野「リズ」はいい店です。ネタのよさにビックリ。うまいマグロでした。料金も安い。そして、ママは美人。みなさん行ってみて下さい。東中野から山手通りを中野坂上方向に真っすぐ5〜6分歩くと左側に「リズ」が見えてきます。

2002.5.5(日)

オーピー次回作『シティ・ドール』印刷台本上がる。キャビンに役者を呼んで、台本配りと軽い打ち合わせ。
キャビンのスタジオの方では、森山組のダビングが進行中。
オレの方が夜10時頃終り、それからダビングを覗く。ほとんど終りの数ロールのみ。今回は、現場もほとんど見てないし、仕上げもしかり。初号が新鮮に見えるだろうな。
ダビング終了後は、オレは音楽の大場一魅を送って高円寺へ。一魅を送り、オレは一人鳥やすへ。すると、来るわ来るわいつものメンバー。麻由子嬢、山咲小春、奈賀毬子、などなど。楽しく朝まで呑む。

2002.5.6(月)

前日に続き、キャビンで役者に台本配り。今回は出演者が特に多いのだ。セリフのある役だけで20人もいる。エキストラも入れれば30人近くになる。ま、そんなわけで一日では配り切れなかったってわけね。
終了後、石動三六氏と「リズ」へ。
実は先日行った時に、ママから小林監督の30数年前の作品『不能者』というのを借りていて、門外不出だというのをムリして借りたのですぐ返しに行く用もあったのだ。
(『不能者』。これは面白いです、力作だ。見るように。TSUTAYAとか行けばあるかもしれない。)
以前は呑めなかった石動氏も、最近はすっかり呑めるようになってしまい、2人でおいしいお酒とマグロとおでんを堪能しました。しつこいようだけど、みなさんも行くといい。しつこいけど、ママは美人だ。

2002.5.8(水)

一人でロケハン。気になっていたお茶の水近辺、そして、新宿のデパートの屋上など見て回る。またも、グッドなポイント発見! すごくいい! うれしい!
夜。下北で久々の芝居見物。劇団ONEOR8公演『garden』。作・演出で代表の田村くん。すごい才能の持ち主だが、今回は今ひとつ、今ふたつという出来。拡散しちゃったね。日常生活切り取りパターンというか、エピソードの並列というか、こういうスタイルってすごい難しいんだよね。物語性なるものを排除する方向性だしね。でも田村くんの作品には、何かガンコな根っ子のようなものをいつも感じる。そういう人は本物だと思う。次を楽しみにしよう。彼にはピンクの脚本も頼んでいるのだ。こちらも楽しみ。

2002.5.9(木)

次回作のヒロイン役の真咲紀子と会い、打ち合わせ。

2002.5.10(金)

珍しく病院へ行く。一週間ほど前から、左の耳の調子が悪くてね。トンネルにはいったときのあのツーンとした感じがずっとはなれなくなってしまったのだ。最初は気にもしてなかったんだけど、耳鳴りはするし、聴力も落ちてきてるので少し心配になり、病院に行ったってわけ。
突発性難聴と診断され、一週間分の薬をもらい、一週間後また来て下さいと言われる。
普段、病気とは全く縁がないだけに、たまにこういうことになると、えらく気がめいるものだ。

2002.5.11(土)

ロケハン。演出部だけでメインスタジオを見に行く。それから、新人の北条湖都と会い打ち合わせ。最後は、セメントマッチ倉庫で演出部の打ち合わせ。

2002.5.12(日)

ロケハン。今日はキャメラマンの志賀ちゃんも参加してのロケハン。昨日見たとこ以外の全てを見て回る。今回はオープンが多いんだよね。それなりにいいとこ見つけたけど、あとは天気が心配だ。19日、クランクインだけど、長期予報だと、そのあたりずっと雨なんだよね。

2002.5.13(月)

森山組オーピー作品『小川みゆき おしゃぶり上手』初号試写。
面白かった。食い足りない部分、たどり着けなかった点など、上げれば色々とある。それでも脚本のレベルの高さに必死にかじりつこうとした森山の戦い模様が鮮やかにフィルムに照射されている。力作だ。
特に導入部から20分くらいまでの前半部は完璧といっていい出来。ムダなく鮮やかなタッチで、主人公の男(本多菊次朗)の孤独な日常描写がつづられる。同僚のOL(風間今日子)との幻想のSEX、海へのドライブ、自殺する女(小川みゆき)との出会い、女は男の家に入り込み、2人の生活が始まる−というこのくだりまではパーフェクトだね。文句なし。特に2人で始めて食事をするシーンはすばらしい。出色の出来だ。セリフの妙味、そして演出、演技の呼吸がかみあい、一言で言うと、名場面。このシーン撮れただけで、この映画撮ったかいがあったと思えるほどの名場面だ。
それにしても中盤からの流れが惜しい。男と女のかもし出す濃密な匂いの描写こそがこの脚本の生命線なのだが、演出的にはストリーを追うのでせいいっぱいという感じになる。
その点が、たどり着けなかったという点で惜しまれるのだが、オレ的には少しホッとしたとも言える。だって、そこまでの作品になっていたら、もう今年のベストワンは決まったということになってしまったと思えるのでね。
役者もすばらしかった。特に圧倒的なのが風間今日子。導入部のつかみOKと言えるHシーンといい、ウソのないリアルな存在感といい、なんてステキな女優なの!って感じね。本多菊次朗。はっきり言って、とてもよかった。彼にキャスティングして大正解だったよ。小川みゆき。とてもがんばってくれてたと思う。キャラもよかったし、充分合格だ。
今年は新人監督が豊作で(これからも、佐藤吏、樹かずとデビューする)、ピンク大賞の新人監督賞は久々の激戦が予想されるが、森山がこのレベルであと一本も撮れば、質・量ともに他を圧倒していっちゃうんじゃないかとオレには思えるね。

2002.5.15(水)

オーピー作品『シティ・ドール』→公開タイトル『デリヘル嬢 絹肌のうるおい』役者・リハーサル。
とにかく今回は出演者が多い。ざっと言うと、真咲紀子、北条湖都、橋本杏子(オレの『淫乱カーニバル』以来、6年ぶりの復帰作となる)、河村栞、松島楓、本多菊次朗(オレの映画初出演)、銀治、佐々木共輔、平川ナオヒロ、兵藤未来洋、樹かず、石動三六、神戸顕一、蓮花(杏子の赤ちゃん)、などなど、他にも10人くらい出る。
とにかく、真咲紀子、北条湖都のこの2人につきる。この2人がどこまで達成してくれるかだ。これは賭けだ。さて、どう出るか。

2002.5.16(木)

森山組『おしゃぶり上手』の映倫試写。予想通り会社的には好評で、処女作に続いて、オーピーの監督賞を受賞。

2002.5.17(金)

体調最悪。耳の調子は悪いままだし、5、6日前からは頭痛、首の痛み、肩凝りにも悩まされるようになる。こんなことってかつてないので、とにかく気が滅入る。何もやる気が起きない。ホント、まいったよ。

2002.5.19(日)〜21(火)

オーピー作品『デリヘル嬢 絹肌のうるおい』撮影。