2005.7.21(木)

3月に9スクリーンのシネコンが地元の府中に出来たのだが、今まで一度も行ってなかった。今日初めて行く。『宇宙戦争』を見る。
まず驚いたのが、250席ほどのキャパなのだが、客が20人ほどしかいない。新宿国際より少ないじゃん。おいおい大丈夫かよと思ったね。
『宇宙戦争』だけど、全然ダメだね。最近たまたまCSで40年前の『宇宙戦争』見たんだけど、旧作の方が面白かったよ。いかに今回のリメイク版がタメかというと、全体を通して、トム・クルーズのオナニズム映画としか思えないという点だ。「どう、みんな、見て見て、今度のボクは泥まみれになって、子供を守る理想的なパパをやってるんだよ。どう、すごいでしょ?!」と言ってるとしか思えない映画だった。『ラスト・サムライ』でトム・クルーズは少し見直したのだったけど、やはりダメだね。

2005.7.23(土)

後藤組アフレコ。オレの長いキャリアで初めて福島音響へ行ってアフレコした。
震度5の地震にスタジオがゆれる。

2005.7.24(日)

府中のシネコンで『電車男』見る。オタク青年が生まれて初めての恋を成就させるまでのストーリーと聞いて、オレには合わないな、でも、一応流行りものだし、とりあえず見ておくか、という気分で見たのだが、これがなんと、意外な拾い物というか、少しカンドーしちゃったりしたんだな。「お前ホントよかったな、あんなキレイな彼女出来て」という気分にさせてくれるのだ。

2005.7.29(金)

五代と打ち合わせ。

2005.8.1(月)

劇団め組のサザンシアターでの公演『信長−神に挑んだ男−』を見る。
大河ドラマの総集篇でしかないという、め組の芝居の多くに感じる不満を今回も感じた。ありきたりな言い方だが、人間が描かれていないのだ。この芝居のどこに信長がいるのか? どこに信長を感じることが出来るのか? どこにもいないし、どこにも感じることは出来ないのだ。
野村くんはよかった。バカで姑息でどうしようもないヤツだが、憎めないヤツでもあるという足利の末代将軍の役を実に気持よさそうに伸び伸びとやっていて実に面白かった。この役には人間を感じた。こういう人物をこそ主役にすべきじゃないのかな?

2005.8.2(火)

後藤組初号試写。

2005.8.5(金)

桜井明弘ライブ。荻窪グッドマン。「ガンから生還した男」「波乱万丈の人生」の男……桜井明弘のライブを、いつかあなたにも見て欲しい…と、いつものように思うのだった。

2005.8.6(土)

久しぶりに原宿ラブ・ミー・テンダー。ここ数ヶ月で出ていたELVISのCD、DVD、書籍などをまとめて購入。

2005.8.7(日)

エルヴィス・プレスリーの日本における第2のファンクラブと言える「エルヴィス・プレスリー・ソサエティ・オブ・ジャパン」主催の「第2回エルヴィス映画祭」に行く。銀座ヤマハ・ホール。
『エルヴィス・オン・ステージ』『エルヴィス・オン・ツアー』『ヤングヤング・パレード』『スピードウェイ』と一気に4本のエルヴィス映画を見るという疾風怒涛の一日となったのだった。

2005.8.8(月)

三茶の中央で『トニー滝谷』『ZOO』を見る。
『ZOO』はオレが今はまりまくっている”天才”乙一の原作によるもの。五篇の短篇による映画。うん、いいです。乙一のエッセンス出まくりです。ビンビンに感じた。全部がそれぞれいいのたが、五篇の中では、監禁された姉と弟の話が特によかった(タイトル。『SEVEN ROOMS』。ストーリー。ある日突然、コンクリートの小さな部屋の閉じ込められた姉とぼく。部屋には全部で7つ。他の6つの部屋には一人づつ女が閉じ込められている。部屋と部屋を結ぶ通路は体の小さなぼくしか通れない排水溝だけ。6日目を迎えたものは必ず惨殺される)。監禁されている地下室の一隅にはなぜか小川のように水が流れている。そしてそこに流れてくる人間の体の一部、血……という舞台の特異さ。各部屋に監禁されている女たちが、一日に一人づつ殺されていくというあまりに酸鼻な展開。なぜ、だれがこんなことをしているのか最後になっても分からないという不条理さ。そして、ラストシーンで一気に見るもののハートをわしづかみにするせつなさ……どれをとっても乙一だった。乙一はすごい。ホントにすごい。

2005.8.9(火)

恒例のシネ・キャビン納涼会。

2005.8.13(土)

五代の息子つぶらと府中のシネコンで『ロボッツ』見る。なかなかよく出来ている。つぶら、大いに気に入る。

2005.8.15(月)〜18(木)

五代親子らと恒例の式根島ツアー。今年で4年連続。式根は今年もキレイだった。神秘的なまでの透明度は今年も健在。魚たちも例年以上にたくさん見れたし、ホント、文句なしだね。何も考えずに、ただただ海に包まれ、太陽に焼かれるだけの日々…。人間にはこういう瞬間が絶対必要だと思うのだ。

2005.8.20(土)

吉祥寺B・ポイントで桜井明弘スペシャル・ライブ。大いなるエンタテインメント精神に貫かれた疾風怒涛の4時間。ゲップが出るほど満腹感に満たされる4時間。「波乱万丈の人生」の男、桜井明弘のライブを、いつかあなたにも見て欲しいものだと、これまたいつものように思うのだった。

2005.8.23(火)

小平の病院に神戸顕一を見舞う。実は神戸、一ヶ月ほど前から、とある病院で入院しているのだ。29日には大阪に引き上げるという。28日には送別会をやろうとなる。余りの展開の急さにボーゼンとなる。

2005.8.24(水)

次回オーピー作品に向けての女優面接。
クランクインは9月23日だ。

2005.8.28(日)

新宿の居酒屋で神戸の送別会。神戸、彼のお父さん、野上さん、キャビンの中村さん、牧村耕次、なかみつせいじ、樹カズ、そしてオレが集まる。
神戸はオレの監督4作目からオレの作品には顔を出し続け、連続86本オレの映画に出ている。目標の100本まであと14本。なんとか意地でも100本まで到達したいものだ。とりあえず次回作ではビデオ出演を考えている。
それにしても、13年以上もの間、常にそばにいて、オレを慕い続けてきたヤツが急にいなくなると思うと、やはりセンチな感情におそわれ、やはり泣けてきてしまったよ。去っていかざるをえない理由も理由だしね。ま、ここでは詳しいことは何も言えないのだが、それはお許し願いたいと思うのだ。

考えてみると、ピンク大賞のプレゼンターをここ数年に渡ってやっていた2人(林由美香、神戸)が同時にいなくなったということになる。あの2人は、プレゼンターとしては最適な人選だったということに異論をはさむ人はほとんどいないと思う。特に由美香なんかは一種象徴的な人だったわけだしね。
来年からは誰がプレゼンターやるんだろう? よくあるみたいに、前年度の受賞者がやるとかいうことになるのかな?
いずれにしても、ひとつの時代は終わったということなのだろう。ピンクの制作本数は増々減少していくだろうし、今こそまさに過渡期。昔、野上さんが出した本のタイトルが、今こそリアルに迫ってくる。『ピンク映画よ、どこにいく?』だ。

2005.8.29(月)

五代の息子つぶらと渋谷シネパレスで『妖怪大戦争』見る。これはひどかった。面白さのかけらもなし。何がやりたいのかさっぱり分からん。つぶらも大ブーイングだった。

2005.8.30(火)

下高井戸シネマにて、南米ウルグアイの映画『ウイスキー』見る。「南米のカウリスマキ」と言われ、カンヌを始め各国の映画祭総なめといった感じの映画なのだが、オレには、導入部の「夫婦の振り」をするという発端の意味がよく分からず、今ひとつ乗れなかったのだ。

2005.9.3(土)

荻窪グッドマンにて桜井明弘マンスリー・ライブ。シネ・キャビンの中村さんも顔を出してくれる。実は次回作で久しぶりに桜井さんに歌を提供してもらおうと思っていて、その打ち合わせも兼ねて行ったってわけね。
二曲提供してもらうつもり。一曲はヒロインに歌ってもらい、もう一曲は桜井さん自身に出演して歌ってもらうつもり。
『こんな、ふたり』の時のような名曲は産まれるか? さて、どうなりますか。

2005.9.4(日)

三茶シネマで、イ・ビョンホンの2本立て。『バンジージャンプする』『甘い人生』。『甘い人生』って、アラン・ドロンの『サムライ』のパクリだったよ。でも、それだけのことね。イ・ビョンホンは、クールなたたづまいに、シャープな動きで健闘してたけどね。
夜は、五代と最終的な台本の直しの打ち合わせ。

2005.9.5(月)

決定稿上がる。仮題『Angel』。
府中のシネコンで『ランド・オブ・ザ・デッド』。『ゾンビ』のジョージ・A・ロメロの新作ゾンビ映画ね。たいして期待してたわけじゃないが、思ってた以上につまらなかった。なんだかなァ…。